01from ferris to you
“おたより”
20220208
フェリス女学院大学は、文学部日本語日本文学科谷知子教授のゼミの学生が、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ゆかりの22人について「鎌倉殿・人物ガイドブック」を作成したことを契機として、鎌倉市との間で包括連携協定を締結しました。
(「鎌倉殿・人物ガイドブック」作成の取組みについてはこちらをご覧ください)
ドラマで取り上げられている12世紀後半は、激動の時代です。公家から武家に権力が移行し、政治の中心も京から鎌倉に移っていきます。中央と地方が逆転するのです。しかし、谷ゼミの「鎌倉殿・人物ガイドブック」を見て教えられたことは、東国の武士たちが、都に対する強い憧れと尊敬を持っていたことです。武士たちは、和歌についての高い教養を身に付けて、自ら歌を詠んでいました。武家とは腕力だけの存在ではなかったのです。
変革・改革が起こるのは決まって危機の時代です。これまでの世の中の形が実情と合わなくなったところに変革・改革は生じますが、その時には危機が伴います。当時、親鸞の浄土真宗、日蓮の日蓮宗や臨済宗・曹洞宗という禅宗などのいわゆる鎌倉新仏教が花開きますが、それも時代の危機が契機となっていたのではないでしょうか。
危機はマイナスだけではありません。新しいものや思想を生み出す原動力となります。鎌倉幕府を立ち上げた武士たちは、武力のみならず、教養を兼ね備えていたからこそ、新しい世の中を創り上げることができたのです。
現在も危機の時代です。コロナ禍もそうですが、政治・経済・社会においても世の中の形が実情と合わなくなってきています。そのような認識を共有しながら、鎌倉市とは、新しい時代を切り拓くために、学術連携を中心として、教育、文化、街づくり等の分野において協働してまいります。
学長 荒井 真