20260205
1月20日(火)、緑園キャンパスのキダーホールにて、井上惠美子教授、諸橋泰樹教授ご退任記念イベント 「今、大いに語る ~研究、教育、そしてコミュニケーション学科の歩み~」が開催されました。
井上先生と諸橋先生は、昨年度20周年を迎えた本学の文学部コミュニケーション学科創設に関わった初期メンバーでいらっしゃいます。両先生が研究を開始された1970年代は「ジェンダー」という言葉がまだ一般的でなく、「婦人問題」「女性解放」と呼ばれていたといいます。井上先生は、ご自身の経験や母親の姿からジェンダー問題に関心を持ち、女子教育史、特に近年では性教育へのバックラッシュを研究してこられました。諸橋先生の研究の原点は「なぜ人は差別をするのか」という問いにあり、構造主義との出会いを経て「人は文化によって作られる」という視点を得、構造主義・社会構築主義に基づくジェンダー研究へと進んでこられました。
2004年度に誕生したコミュニケーション学科は、多文化共生やジェンダー、相対化の視点や調査・表現能力の涵養といった先進的な理念を掲げた挑戦であったことが語られました。あわせて、問題意識を共有する教員たちが学部や学科の枠を超えて学び合い、韓国や沖縄などでのフィールドワークをはじめ、学内での共同研究にも数多く取り組んできたことが紹介されました。
お二人のライフヒストリーからジェンダー化された社会や歴史のあり方、それらをゆるがしていくフェリスでの研究教育のご活動に学びつつ、両先生が新しい道を切り開いて現在に至られたお話は、同じ研究者として大変興味深いものでした。
会場にはかつての同僚の先生方、職員、お二人を慕う卒業生、現在指導をしているゼミの学生たちなどが多く集い、懐かしい顔ぶれに、井上先生、諸橋先生も顔がほころんでおられました。お二人のお人柄を象徴すべく終始和やかな雰囲気での最終講義となりました。
最終講義後は、会場を学食に移し茶話会が開かれました。卒業生にとっては懐かしい名物の焼き立てパンなどもあり、心もお腹も満たされた素晴らしいご退任記念イベントとなりました。


コミュニケーション学科/文化表現学科教授 高橋京子
コミュニケーション学科/心理コミュニケーション学科教授 澤田佳世