20250808

ドイツ語インテンシブ・コースの学生がテキストに触発されてオリジナルの映像を制作・発表しました

ドイツ語インテンシブ・コース「総合」では、矢野久美子教授(グローバル教養学部 国際社会学科)の指導により、テキスト「Janusz Korczak: Ein Held der Kinder」*を翻訳しました。また、フィールドワーク先として「風船爆弾作戦と本土決戦準備 —女の子たちの戦争—」**(会場:明治大学平和教育登戸研究所資料館)を選び、子どもたちや少女が否応なく戦争に巻き込まれ、日常を奪われた80年前と、現代の社会情勢は地続きであることを体感しました。

この経験に触発された学生2名が映像を制作し、「翻訳と記憶~ドイツ語で学んだ戦争と平和~」と題した発表会を7月24日(木)に実施しました(会場:言語センター フェリス女学院大学緑園キャンパス)。上映後は参加した他クラスの学生、教職員からフィードバックを受け、作品への思いを共有しました。

参加者からは、ドイツ語「総合」が目標とする「フィールドワークやプレゼンテーションを必須の活動として取り入れ、言語を活用して他者と協働し、主体的に意見を交わす力を育成」に相応しい制作物であること、脚本、作画、撮影、編集、監督まで学生だけで完成させ、新たな表現として形にしたことに賞賛の声が送られました。

映像作品はこちらです。ぜひご覧ください。(4分37秒)

■制作した学生のコメント

M.Hさん
今回の動画は、脚本・音楽・効果音・アニメーションだけでなく、ナレーションや出演、撮影も含め、すべて一から自分たちで手がけました。ドイツ語の授業をきっかけに、作品が完成したことに、自分自身でも驚いています。「作りたい」という思いを尊重し、丁寧にサポートしてくださった矢野先生に、心より感謝申し上げます。制作を通じて、歴史の影にある小さな声に、どう耳を澄ませるかを問い直す時間となりました。

Y.Oさん
今回のドイツ語総合の授業を通して、初めてコルチャック先生や、風船爆弾を作っていた少女たちの存在を知りました。これまで戦争と聞くと、どこか遠い過去の出来事のように感じていましたが、もともとは私たちと何ら変わらない普通の生活を送っていた人たちでした。だからこそ、戦争は決して自分とは無関係なものではない、いつ私たちの日常が壊れてもおかしくないということを、強く感じました。コルチャック先生も、女の子たちも、過酷な状況の中、信念を持ち、人のために努力をしていたことが印象に残っています。戦後80年という節目の年に、こうして授業で戦争について学び、2人で作品を作る事ができて本当に良かったと感じます。この学びをこれからも大切にしたいです。

■指導した矢野久美子教授のコメント
このテキストはドイツ語を読む力をつけるだけでなく、歴史的背景や子供の権利や自治の考え方を理解するために最適だと思っています。「総合」の授業ではフィールドワーク先や取り組むテーマについては履修者の希望に合わせていますが、今年は2人がまさしく自発的に問題設定をして制作活動を行い、作品を完成させました。そのプロセスでの話し合いは私にとって楽しい時間でした。関心をもった事柄に協力しあって取り組む様子、そして自分の言葉で表現していく姿を傍で見ることができ、とても嬉しく思います。

アニメーションの原画制作過程
発表を終え、講評を受ける学生
テキスト Janusz Korczak: Ein Held der Kinder
ドイツ語教員による講評

*「Janusz Korczak: Ein Held der Kinder」
出版社:Knesebeck Von Dem GmbH
著者:Tomek Bogacki
出版日:2010年8月1日
言語:ドイツ語
*「Janusz Korczak: Ein Held der Kinder」は、株式会社講談社から下記の日本語版が刊行されています『コルチャック先生 子どもの権利条約の父』
作: トメク・ボガツキ
訳: 柳田 邦男
発行:株式会社講談社

**「風船爆弾作戦と本土決戦準備 —女の子たちの戦争—」https://www.meiji.ac.jp/noborito/info/qfki0t000003s9rr.html
期間:2024年11月20日(水)~2025年8月30日(土)

【参考】
初習外国語インテンシブ・コース 
https://www.ferris.ac.jp/academics/language/first-foreign-language/introduction/
ドイツ語インテンシブ・コース
https://www.ferris.ac.jp/academics/language/first-foreign-language/german/#gengo


 

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