20240229
静岡県熱海市を舞台としたプロジェクト演習では、人気の低迷していた温泉地がいかにして若者の集まる観光地に再生したかを学び、フィールドワークで発見した新たな課題の克服に取り組みました。
熱海で地域再生に取り組む起業家からは、最盛期に比べて観光が低迷する中、街では「熱海に面白いものなんてないよ」といった否定的な意見があふれ、また地元の協力を得ることが難しかったといったリアルな苦労話を聞きました。しかし、小さな試みから、次第に協力者が増え、商店街が活性化していくストーリーに、改革や挑戦の重要性を改めて認識しました。さらに熱海での視察・町歩きを通じて、観光の陰に隠れがちな高齢化社会や、古びた街並み・インフラの制約など、幅広い視点から町を「体験」することもできました。
グループワークでは、当初発言することが恥ずかしかったり、自分達のアイデアが現地で求められているのか、悩ましい時期も続きました。しかし、正しい答えではなく、気軽な意見交換、多様な意見のぶつかり合い中から、アイデアを練り上げていく楽しさに目覚めたようです。最終回では、「地元の人が楽しむことのできる街づくり」「若者が魅力を感じる土産物」「放置されたビル上層階の活用」等のプロジェクトが提案されました。
地元の起業家からは、学生が提案した土産物やメニュー、さらに熱海の隠れた魅力は想像以上であった、熱海の経営層と顧客である若者の間のズレを改めて認識し、若者目線でのニーズやポイントをぜひ地元に伝えたい、と高い評価をいただきました。
国際交流学部教授 上原良子