20240226
この授業はオリジナル朗読台本を作成し、実際に試演することを目標としています。
12人の3学部の学生さんはみなそれぞれ舞台に関心があり、実際の舞台経験者も複数履修していました。自分たちで台本を作成するにあたって、まず伝統的時代考証による舞台上演、時空を排除した最前線のオペラやミュージカルの舞台映像を皆でみながらジェンダーやドラッグ、歴史、伝統、などの様式、人種問題など多くを学習しました。
そこから12人にしか作成できないオリジナルの朗読台本を作成してゆきました。履修者は3学部に所属し、全く初対面であるので、自己紹介から開始し、その中に台本の基礎となる事項があることを伝え、いわば各々のライフヒストリー自体がオリジナルな台本のヒントなのであることを認識してもらいます。
1、名前の由来。
2、絶望したこと、喜びいっぱいになったこと。
3、時間の感覚がこころの状況により長かったり、短かったり感じられるのはなぜ?
4、舞台芸術に「3」を感じたことは?それはなぜだろう?
などなど。
毎回、12人の意見を台詞にしてゆきました。およそ40分のオリジナル台本に、履修者のハープ、サックス、私のピアノも加わり、皆で合唱、バレリーナ(履修者)を手本にしたステップも取り入れ、オリジナル台本(人生の目的と使命とは)を15回目に試演しました。
ゼロからどのような台本ができるか全くわからない状態から試演まで自らが作成した台詞への取り組みは、(特に滑舌や、発声については個人差があり、それらを1つの流れとなるようにするという時間は)、大変充実した時間であったと思います。一期一会のすばらしさを、社会で実現できるステップとなればと願っています。
音楽学部教授 蔵田 雅之