20240226

2023年度プロジェクト演習「フェリス女学院大学の広報戦略を考える」

全学教養教育機構(CLA)で開講されているプロジェクト演習「フェリス女学院大学の広報戦略を考える」は、学生とともに大学の広報戦略を具体的に考えていくPBL(課題解決型)授業です。この演習の目的は、学生一人ひとりが、フェリス女学院大学をアピールするにはどうしたら良いかを自分たちの頭で考え、具体的なプランを創り上げることです。そしてそのためには、大学が置かれた現状や歴史、大学の理念、経営学的な観点、広報の方法、そして議論の手法を身に付ける必要があります。

マーケティングやブランディングの基礎については、本学で音楽ビジネスを教えている武井涼子先生に、グループディスカッションやブレーンストーミングについては、専門講師の南様に教えていただきました。

武井先生は、フェリス自体やフェリスを受ける受験生を具体的に人格化したらどんな人になるか考えてみることから始めてくださいました。このような仮想人格を「ペルソナ」といいますが、趣味は何?好きな食べ物は?どんな服を着ている?などととことん具体化することにより、その人がどんなときに感動するか、ガッカリするかが分かってきます。

グループワークは、ただ一緒に話すだけではうまく行きません。キッチリ成果を出すための手法があります。役割分担を決めて、時間を厳守し、その時間内でできるだけ多くのアイデアを出す必要があります。まずは、質よりも量が大切なのです。多くのアイデアの中から、議論をしながら絞っていきます。相手を批判しないようにしながらも、自分の意見を明確に述べる技量が求められます。周りの意見を聞きながらも安易に同調しないことも大切です。

今年度も3つのグループに分かれて、具体策を練りました。

第1班は「ショートムービーを作ってTikTokでアピールする」というものでした。私のプロジェクト演習とチアリーディング部の紹介動画を2本作成してくれましたが、さすがデジタルネイティブの学生たちだけあって、映像と音楽をうまく掛け合わせ、見応えのある物ができあがりました。炎上を防ぐため、TikTokに載せる際にはコメント機能はOFFとし、代わりに「マシュマロ」という質問を受け付けるサイトを活用するなど、SNSを知り尽くした学生ならではの提案でした。

第2班は、フェリスといえばこれ!というような名物行事を作って、大学をアピールしようというものです。「Ferris Collection」という名称で、大学祭において「Cooking Collection」、「Language Collection」、「Music Collection」という三つのCollectionを開催し、競い合わせるというものです。フェリスの魅力を発信するとともに、学生たちが輝ける場を設けることも目的の一つです。投票にも工夫を凝らし、QRコード等を用いて参加しやすく設計してくれました。

第3班は、「学生主体の電子媒体パンフレット」を作成するというものです。既存の大学Webサイトや大学案内ではなかなか載せられない学生目線の情報を自分たちの電子媒体パンフレットで受験生に伝えることが目的です。学生たちは「楽しさ」「情報の安全性・信頼性」「手軽さ」をコンセプトとして、フェリスの楽しさが伝わる電子パンフレットを実際に作ってくれました。ただ作成するだけではなく、制作委員会の設置やパンフレットの拡散方法なども具体的に考えてくれました。

学生たちのモチベーションの高さとお互いの意見を聞いて、新しいものを創り出す力には、いつも驚かされます。相手と意見が違っても、即座に否定することなく、いったん受け入れつつも対案を出していく姿勢を見て、学生たちが社会人として必要な能力をこの演習でしっかりと身に付けているのが感じられました。

学長 荒井 真

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