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“おたより”

20231221

国際交流学会秋季講演会を開催しました

中村恵様

国際交流学会では、2023年度の秋季講演会を11月16日(木)の4限に開催しました。今回は国連UNHCR 協会の設立に携り、現在事務局長特命・渉外担当でいらっしゃる中村恵様を講師としてお招きしました。中村様1989年に国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)に入職し、ミャンマーでの支援に従事されたご経験もあります。2001年からは第8代国連難民高等弁務官を退官した直後の緒方貞子さんのパーソナルアシスタントを務められました。

講演会では「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の人道支援 ~緒方貞子さんに学ぶ~」をテーマに、緒方貞子さんとの出会いや学びを教えて下さり、世界各地で行われている人道支援がどのような活動であるかを学びました。

【緒方貞子さんについて(講演会より)】
1991年初頭の湾岸戦争の時、国境近くに追い詰められたイラク国内のクルド系住民のために、それまでにはなかった国内避難民を救済するという大きな決断をしました。また難民キャンプに直接出向かれ、現状の把握を行うことで早急な問題解決と支援をリードしてきました。こうした緒方さんの決断が人道支援の歴史を変化させ多くの命を救ったことや、新しい支援の仕組みを作り上げてきたことに繋がっています。

UNHCRでは武力紛争になどによってふるさとを追われてしまった難民たちを緊急援助するだけではなく、安全な場所に移住するための活動も支援しており、一人一人に寄り添っていることをお話ししてくださいました。しかし長期化する紛争などで国外にいる難民だけではなく国内避難民も増加する傾向の中で、政府や様々な機関との連携が必要であることは言うまでもありません。さらに、私たちの募金活動も支援活動の一つであり、学生という立場でも何か力になることができることを教えてくださいました。

最後に中村先生からの学生たちへのメッセージをいただきました。それは「目の前の現実に対してそこで生じる問題をどのように打破するのかを考え、問題解決を通して成長することで、信じるに足る自分を確立することができる」というものでした。このメッセージは、会場にいた学生に、一歩を踏み出す勇気を与えてくれました。

この講演には大きな教室が埋まるほど多くの学生が参加し、質疑応答も活発に行なわれ、会は盛況のうちに終わりました。今回の講演会では多くの学生が人道支援と緒方貞子さんの業績について理解を深めることだけではなく、国際問題と向き合うきっかけを与えてくださった貴重な時間となりました。

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