01from ferris to you
“おたより”
20230428
皆さんは、学食とSDGsの関係を意識したことはありますか?
フェリスの学食『アンデレ』では、新鮮な旬の食材を中心に添加物や保存料を使わないヘルシーなメニューが、日替わりで提供されています。作り置きしていないため、時期によって変動する利用者数を予測することが難しく、食材が余ってしまうことも。
そこで学生有志が、食品ロス削減に取り組んでいる横浜市資源循環局と協力し、「3Re(スリー)」プロジェクトを開始。仕入れ量を押さえ、売り切れが出ても顧客満足度を下げない取り組みを実施しました。
ここで参照したのが、デザインや仕掛けによって、人が自然に行動できるよう誘導する「ナッジ」という行動経済学の理論です。
お昼を挟んで履修している学生の約1割が学食を利用しており、人気メニューは唐揚げやとんかつなどお肉系。昼休みという限られた時間のなか、長時間の行列やメニューのわかりづらさを解消することが課題でした。
そこで日替わりのメニューの写真を券売機の列にデジタルフォトフレームで表示し、売り切れの場合すぐに知らせることで、並んでいる間に別の選択肢を選ぶことができるようにしました。そして何よりも、売り切れは食品ロスを削減できたという証。「売り切れはいいこと」というメッセージを感謝の気持ちとともに伝えるために、学生発案のポスターを売り切れたメニューのフォトフレームに表示するようにしました。
その結果、プロジェクト開始前に比べ、売上に対する材料費が5.6%低下。仕入れ率とコストを下げ、食品ロスも削減することができました。学食運営会社の井上さんも、「今回の取り組みで、私自身も売り切れの考え方が少し変わりました。お店とお客様、双方が理解し一緒に取り組むことで、より大きな効果が生まれると感じました。」とコメントしてくださっています。
SDGsの観点からも、高騰する食糧価格の観点からも、食品ロスを削減する必要性がますます高まっています。ぜひみんなで学食を利用して、どんどん売り切れを出していきましょう!
国際交流学部国際交流学科准教授 高雄綾子
フェリスの「3Re」プロジェクトは、横浜市の「食品ロス削減 Idea Book」に成功例のひとつとして紹介されています。
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※このプロジェクトは、2021年度プロジェクト演習『ライフスタイルから考えるサステイナビリティ』で
「ナッジ理論」について横浜市からレクチャーを受けたことがきっかけとなり取組がスタートしました。
『ライフスタイルから考えるサステイナビリティ』の記事はこちらから