02interview
“わたしたち”
20230113
スポーツチャンバラはその名の通り、チャンバラという遊戯に小太刀護身道を融合させたスポーツです。「遊戯」を基にしたスポーツだからこそ、年齢や性別、経験の有無を問わず誰もが参加でき、気軽に楽しめます。この競技に取り組むフェリス女学院大学の公認団体が、スポーツチャンバラ翔剣会。数々の大会で上位の成績を収めており、今後もさらなる成果を残すべく日々稽古に励んでいます。今回はスポーツチャンバラ翔剣会のメンバーの皆さんに、詳しい活動内容や今後の展望についてお聞きしました。
大会での勝利を見据え、日々の稽古に打ち込む
スポーツチャンバラ翔剣会は毎週金曜日と隔週火・日曜日に、近隣の中学校などの体育館を借りて稽古を行っています。時間は18時から21時までで、会場への礼に始まり礼に終わるなど、伝統的な武道に通じる慣習が守られています。稽古が始まった途端、体育館全体に響き渡るのは太刀を打ち付け合う力強い音。太刀として使うのは空気で膨らませた「エアーソフト剣」なので、音の大きさに反して衝突時の痛みはそれほど強くありません。終盤には「元太刀」という勝ち残り式の稽古が行われ、一挙一投足に神経を張りめぐらせた真剣勝負が繰り広げられます。攻防の激しいスポーツチャンバラの試合では一瞬に懸ける集中力が勝負の分かれ目になるため、稽古の段階から気迫が感じられます。 スポーツチャンバラは春と秋に関東学生大会があり、その結果によって冬の全日本学生大会への出場が決定します。これらの大会で上位の成績を収めるために、スポーツチャンバラ翔剣会のメンバーは一丸となって稽古に取り組んでいます。仲間と共に切磋琢磨する日々が、自分自身の実力とチームの団結力の向上につながっているのです。
スポーツチャンバラを通じて広がる、自分自身の可能性
スポーツチャンバラ翔剣会の活動を通じて得られるのは、大会での実績といった目に見える成果だけではありません。あるメンバーは、「大会や稽古の中で培ってきた経験が日常生活にも生きている」と熱意を込めて語ります。「今まで部活動をしたことがなく、何をしても続かないのが悩みでした。でもスポーツチャンバラに出会って競技の楽しさを知り、『もっと強くなりたい』という思いが自然に芽生えたんです。それからはより一層積極的に稽古に励み、大会で優勝を勝ち取ることができました。『やればできるんだ』と思えた経験が、目標達成に向けて努力する姿勢につながったと感じます」。
また、スポーツチャンバラ翔剣会に入って自分の新たな一面を発見したというメンバーもいます。「競技を通して、内面にあるさまざまな感情に触れることができました。真剣勝負の中で生まれる大きな喜びや悔しさは、スポーツチャンバラ翔剣会の活動がなければ味わえなかったかもしれません。『こんなとき、私はこう思うんだ。こう思えるんだ』と未知の自分に気付けたことは、今後の人生においても大切な糧になると思います」。
先輩から受け継がれた思いを胸に、さらなる高みへ挑む
スポーツチャンバラ翔剣会のメンバーが口をそろえて語るのは、「このメンバーで競技ができて良かった」という言葉。年次の壁を越えて結ばれた固い絆が、団体戦に挑むモチベーションにもつながっているといいます。「秋大会の団体戦で大将を務めたのですが、あと1勝に迫った場面で私が打ち負けてしまいました。それでもみんなが温かく迎えてくれた時、一人きりではなく全員で戦っていたんだと改めて実感しました。結果的に負けてはしまいましたが、今まで嬉しいことも悔しいことも分かち合ってきたことに、意味があると思います。私はこの大会で引退しますが、後輩たちに何かを残せていれば嬉しいです」。大会の思い出を振り返りながら、大将を務めた4年生は目に涙をにじませます。
その思いを受け継いだ2年生は、今後の展望を次のように語りました。「団体戦で負けてみんなで涙を流したとき、こんなにもこのメンバーが好きだったんだと実感しました。スポーツチャンバラの楽しさは、競技そのものの魅力だけでなく、仲間と苦楽を共にしてきた経験によって味わえるものなんです。先輩の思いを胸に稽古に励み、次の大会では1部昇格を目指します」。
これからは春大会の団体戦を見据え、1年生の勧誘にも力を入れていくと語るスポーツチャンバラ翔剣会のメンバー。堅い絆で結ばれた学生たちの活躍から、ますます目が離せません。