01from ferris to you
“おたより”
20221124
10月27日、「理解できない人々と共存するには―初期アメリカの歴史的経験に学ぶ」と題して、キリスト教研究所講演会*が開催されました。
今私たちは、パンデミックや戦争など、想像をこえる理不尽な世界に直面しています。常識や理性、人間らしい感情すら共有していないような人々のふるまいも目にしてきました。
講師の森本あんり先生(東京女子大学学長)は、新世界アメリカに渡った17世紀のピューリタンも酷似した状況にあったこと、さらに筋金入りのピューリタンであるロジャー・ウィリアムズという人物の生き方をとおして、たとえ信仰や思想がまったく違う人たちを理解し、受け入れることができなくても、礼節をもって尊重することが大切であることをお話しくださいました。また、「寛容」といわれる徳が、現代世界の厳しい現実に意味をもちえるのかについても、分かりやすく、楽しく語ってくださいました。会場は、示唆に富んだ講演に吸い込まれ、穏やかな高揚感に包まれていました。
■森本あんり先生の著書(一部)
『不寛容論―アメリカが生んだ「共存」の哲学』 新潮選書
ISBN978-4-10-603860-0
『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』 新潮選書
ISBN978-4-10-603764-1
『キリスト教でたどるアメリカ史』 角川ソフィア文庫
ISBN978-4-04-400466-8
*フェリス女学院大学キリスト教研究所とは
キリスト教、キリスト教文化、キリスト教学校教育に関する学術的研究の推進を目的として2015年度に設立されました。その大きな柱であるキリスト教研究所講演会は、毎年度学内外から講師を招聘し、多角的な視野から本学の「原点」を確認する有意義な機会として定着しています。