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“おたより”

20220804

国際交流学部で学ぶ日本のいま④
学校の原風景

国際交流学部では各自の特性や志向に合わせて選ぶことができる「国際協力」「文化交流」「人間環境」の3つのプログラム(注1)があります。今回の連載では文化交流プログラムで学ぶことができる現代社会の様々な問題について紹介します。

「文化」は、お寺や美術品、文学作品ではなく、それらを創り出した人のこころのあり方であって「こうすれば、美しい形が現れる」というプラスの方向性と「こんなことは絶対にしてはいけない」というマイナスの方向性があります。

後者の方向性は、高校のクラスルーム、部活動、あるいは職場、町内会などさまざまな「共同体」をじっさいに作動させており、我々の日常生活は、この方向性によって守られているのですが、副作用もまた強烈です。

私は、現代日本の深刻な社会問題となっている「いじめ」の根底に、この「マイナスの方向性」が深く関わっている、と考え、「クラスのみんなの基本線から外れてはいけない」という暗黙の規範が及ぼす影響について、具体的な事例を履修者の皆さんに提示するとともに、アメリカ合衆国に代表される他文化圏との比較を試みてきました。

「基本線から外れてはいけない」という規範は、おそらく稲作社会をベースに醸成されてきた価値観であって「現代社会を過去から考える」視点の重要性を、学生の皆さんが理解されることを願っております。

国際交流学部国際交流学科教授 筧雅博

(注1)2023年度より、3つのプログラムの名称が変更になり、より充実した内容となる予定です。「文化交流」プログラムは「国際地域文化」プログラムに変わります。

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