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“おたより”

20220802

国際交流学会春季講演会を開催しました

橘 ジュン先生

国際交流学会では、2022年度の春季講演会を6月23日の3・4限に開催しました。今回の講演会は3年ぶりに講師を大学へお招きし、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施しました。3・4限ともに対面とオンラインあわせて200名以上の学生が参加し、講演会中に設けられた質疑応答の時間には多くの学生が意欲的に参加するなど、今回も非常に大きな盛り上がりとなりました。

今回は特定非営利活動法人BONDプロジェクトの代表である、橘ジュン先生を講師としてお迎えしました。橘先生は以前、ライターとして問題を抱える未成年たちを中心に取材されていました。しかし、ライターとしての活動だけでは問題を抱える未成年の根本的な支援にはならない、救いたいと思う未成年が増加しているということから2009年に特定非営利活動法人BONDプロジェクトを設立されました。聞く、伝える、繋げるという3つを活動の軸にし、安心できる居場所がない女の子の保護や、夜の街のパトロールなど困っている女の子に寄り添うために幅広いご活動をなさっています。講演会では、「生きづらさ、抱える女性たち―制度のはざまに埋もれたSOS-」というタイトルに即し、コロナ渦で一層困窮した女性たちの現状についてお話していただきました。

講演会では、BONDプロジェクトの活動内容や女性たちが強いられている状況を、橘先生が過去にご出演された番組の映像などを用いてお話してくださいました。そのため、虐待や貧困、子育てといった当事者にならないと想像しづらいお話もスムーズに理解することができました。寄せられる相談内容や女の子たちが抱える問題は想像を絶するほどに深刻な状況に陥っており、私たちフェリス生と同世代の女の子がこれほどまでの苦しみを抱えて生きているという事実に胸が痛みました。

新型コロナウイルスの影響は甚大であり、私たちもまだまだ制限下での生活を余儀なくされています。橘先生も新型コロナウイルスが困窮した女性たちに与えた影響は計り知れず、74万人もの女性が雇用を失ったとおっしゃっていました。今までぎりぎりでなんとか生きていた女性たちが、コロナ渦で死を選択してしまうほどの窮地に立たされている状況になってしまったというあまりにも理不尽な現実が私たちのすぐそばにあるのだと気づかされました。加えてコロナ渦での問題は経済状況だけにとどまらず、家庭内の問題にも悪影響を及ぼしました。コロナ渦で出社や登校の機会が減り、自宅にいる時間が増えたことで保護者や配偶者から暴力を受ける頻度が増す等、さまざまな問題が複雑に絡みあい、女性たちの「死にたい」という声に繋がるのだと学びました。

今回の講演会では、窮地に立たされている女性たちの現状を知ることができました。つらい問題ですが、決して他人ごとではないのだということを多くの学生が実感したと思います。どのような問題でも1人で抱え込まず、周りに相談することを胸に留めておくことが大切だと感じました。

講演会の様子(3限)
講演会の様子(4限)
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