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“おたより”

20220609

英語英米文学科の授業・教員を紹介します! (5)
~アメリカの移民問題~

1965年10月、自由の女神が立つリバティ島にて「1965年移民法」に署名するジョンソン大統領

英語英米文学科にはどんな授業がありますか?
そんな疑問に連載でお答えします。

第5回は、アメリカの移民問題を扱う中川先生の授業を紹介します。


現在のアメリカ社会では人種と民族集団の多様化による多文化化が進行し、2020年の人種比は、白人57.8%に対し、中南米系18.7%、黒人12.4%、そしてアジア系6%でした。「1965年移民法」を機に、移民出身地域の中心はヨーロッパから中南米、アジアへ移りました。米国の人口は比較的高い出生率と移民の流入によりすでに3億3千万人を優に超えていて、欧米先進諸国の中で「少子化」問題がほとんどない珍しい国といえます。

この授業では最大のマイノリティ集団、中南米系アメリカ人・移民への偏見と差別の歴史に着目し、特に「1965年移民法」以後の「反移民」感情の現れ方とその要因、そして政治との繋がりを考察しながら、今日の多文化社会での共存の可能性を探ります。教材に使うTVドキュメンタリーや移民映画によって当時の雰囲気がリアルに再現されるためか、授業が「わかりやすく、おもしろい」との感想が受講生から多く寄せられています。

担当教員がアメリカ現地で撮影した写真も教材にしています。

1986年にカリフォルニア州で英語公用語化法案が可決された時代背景
文化的多元主義と多文化主義の違い(諸説あり)
1998年にカリフォルニア州で禁止されたバイリンガル教育を復活させる内容の2016年制定「カリフォルニア多言語教育法」
ロサンゼルスの一角にある韓国系とラテン系その他が経営する店舗が入る雑居ビル
ロサンゼルスの一角にあるプロテスタント教会の礼拝に関する掲示板。英語、スペイン語、韓国語による礼拝の開始時刻の案内
ロサンゼルスのダウンタウンのラテン系集住地区で見かけた壁画。メキシコ、中米諸国の特徴がそれぞれ、絵で表現されている
サンフランシスコでみつけたラオス、タイ料理のお店
ロサンゼルスでは、こうした本格的なメキシコ料理が食べられるレストランが多い
サンフランシスコで見つけたフィリピン系のスーパーマーケット。中にいた客はほとんどがフィリピン系であった
かつてメキシコでは「おふくろの味」として各家庭で作られるのが当たり前であった主食トルティージャが、今ではロサンゼルス郊外のラテン系スーパーで機械で作られ売られている。トルティージャ・チップスも陳列してある。(同スーパーの店員の許可を得て撮影)
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