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“おたより”

20220216

国際交流学部で学ぶ地域文化⑥ 若者と共通課題から考える日韓関係

K-POPやドラマなど韓流ブームですっかり身近になった韓国ですが、歴史問題や政治面では対立が続いています。マスコミでは史上最悪の日韓関係とも言われていますが、日本の若者の韓国・朝鮮半島への関心はかつてないほど高いです。「韓国の文化と社会」という授業では「韓国を知ることによって日本をより客観的に捉えることができます」と呼びかけます。多くの学生はいままでとは違った視点、すなわち韓国人の先生による韓国社会論に耳を傾けてくれます。日韓関係を語る際、相手の立場も考えることの重要性を伝えるのが私の役割と認識しています。

日韓関係は歴史や政治に限らず多面的で、少子高齢化や格差問題、男女不平等、ワークライフバランス、外国人問題など、共通の課題も多くあります。授業を受けている学生たちからは、次のような意見が寄せられています。「女性が社会で活躍するために何が必要か」「結婚しない選択を尊重すると同時に、結婚したくてもできない現状をもっと真剣に受け止めるべきだ」「LGBTQ+を含めて全ての人が性別を理由に差別されない世の中になってほしい」「コロナでさらに深刻化した格差問題、コロナ禍で就職活動をしてみると韓国の若者の気持ちが少し分かった」「未来に夢や希望を持つ若者が増えてほしい」など。このように願う学生たちのコメントを読むと、国は関係ないのではないかとふと思います。

日韓ともに、多様なライフコースを生きる人たちを包摂(インクルージョン)できるような制度を作るというパラダイム転換が必要です。持続可能で、より良い社会を作るために共に考えてみませんか。

国際交流学部国際交流学科教授 金香男

多文化と多様性を認めよう(韓国・安山市)

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