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“おたより”

20220210

英文学会講演会を開催しました

英語英米文学科には、大学院生、学部生、教員からなる「英文学会」という学会があります。「英文学会」では、学生が主体となって様々な活動が行われていますが、その活動の一つとして、2022年1月13日(木)に講演会が開催されました。英文学会主催の講演会は、例年、年に二度行われてきましたが、昨年度はコロナ感染の影響により残念ながら開催が中止となりました。新しい年の最初の活動として講演会を再び行うことができたのは、大きな喜びです。

さて、今回の講演会はグリーンホールを会場として、ZoomおよびYouTubeで同時配信も行うハイブリッド形式で開催しました。講師としてお招きしたのは、東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN) の会長でおられ、また女性学・ジェンダー研究のパイオニアでいらっしゃる上野千鶴子先生です。今回は、英語英米文学科においてジェンダー研究をされている関口洋平先生のゼミにご協力いただき、公開インタビュー「女子大とジェンダー」と題して行われました。女子大という環境の中で女子大生として、ジェンダーに向き合い考えてみようという主旨で、関口ゼミでは、あらかじめ上野千鶴子先生のご著書『女の子はどう生きるか-教えて、上野先生!』(2021)を読み、ジェンダーに関するフェリス生へのアンケートを実施しました。その結果、多くの学生が日常生活の中でジェンダーに関する疑問や不安-上野先生はこれを「ノイズ」(騒音)と呼ばれました-を抱いていることがわかったことは、まず大きな収穫の一つです。これらの「ノイズ」に対し、上野先生からは、女性の教育、就労、結婚状況など、社会的観点からの精緻なデータとその分析に基づいて、性差についての説得力のあるご説明と回答をいただきました。女性が生きやすく、活躍できる社会を実現するために、今何をすべきかという問いを、一人一人が自身の問題として考えていく確かな手がかりを得ることのできた貴重な機会となりました。

今回の講演会は、200名以上の学生および教員のみなさまにご参加いただき、大盛況となりました。フェリス生として、豊かな環境を十分に活かし、幅広い選択肢の中で「のびのび」と学んでいくとよいのではないかという上野先生からのお言葉は、フェリス生にとって大きな励みと自信につながる心に残るメッセージとなったことと思います。

文学部英語英米文学科准教授 小泉 泉

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