01from ferris to you

“おたより”

20220119

国際交流学部で学ぶ地域文化④ ファッションから学ぶヨーロッパの歴史と文化

今からおよそ100年前、パリやロンドン、ウィーンなど、ヨーロッパの諸都市で、それまでの常識にとらわれない前衛的な芸術運動が次々に誕生しました。アーティストたちは、国境や芸術のジャンルにとらわれずに交流を持ち、独自の表現を探し求めます。そうした彼らが新たな表現手段として可能性を見出したもののひとつに、衣服がありました。

「ヨーロッパの文化と社会」という授業では、19世紀末から20世紀初頭に深い結びつきを持ったファッションとアートという側面から、私たちが身にまとっている現代の衣服がどのように形作られたのかを学びます。そして、この時代の芸術家やデザイナーたちが最先端の芸術を取り込み、どのような服を生み出したのか、彼らの試みをたどります。そのなかで、女性たちがコルセットからいかにして解放されたのか、また日本をはじめ、中国やアフリカなど、非西洋圏の造形がヨーロッパのファッションに与えた影響など、さまざまな問題について考えます。

服を着るという行為はあまりに日常的なため、普段、私たちは無意識のうちに衣服に袖を通しています。ですが、あなたが手に取ったそのスカートやパンツ、一つひとつにも歴史があります。私たちに身近なファッションという切り口から、ヨーロッパの歴史や文化について学んでみませんか。

国際交流学部国際交流学科教授 朝倉三枝

デザイナーのポール・ポワレによる異国趣味的なドレス、『アール・エ・デコラシオン』誌1911年4月号。
scroll to top