01from ferris to you

“おたより”

20210727

〈フェリス女学院150周年記念プロジェクト演習〉の成果:「ものつくりの醍醐味を味わう」~キタムラ(株)との産学連携プロジェクト~

2021年6月15日(火)緑園校舎CLA棟2階のウエルカムセンターにて、キタムラの営業・デザイナーチームから荒井学長と学生4名に、学生がデザインして完成した製品の受け渡しが行われました。授業から始まった産学連携プロジェクトが完遂した瞬間でした。

本プロジェクトは、2020年前期のCLA科目である「フェリス女学院150周年記念プロジェクト演習」に端を発しています。授業ではキタムラから瀬下様、冨田様、丸山様、樽谷様をお迎えして、履修生と企画会議を実習しました。授業終了後に、キタムラの皆様から学生たちの若いアイデアが新鮮でよかったこと、150周年の記念に企画だけでなく何か学生に「残るもの・残ること」で協力できたらなどのお話をいただきました。そして授業時のチームK(Kitamura)の4名のメンバーがそのまま残り、あらためてキタムラと大学とで産学連携の覚書協定を結び、2020年8月からプロジェクトを進めることとなりました。
以前よりフェリスと元町商店街との歴史の中で、フェリス生を大事に思ってくださっている北村社長の心暖かな応援のもと、キタムラは授業に参加された4名のスタッフが担当者となり、製作とその受け渡しまで親身にプロフェッショナルに協力してくださいました。

キタムラプロジェクトは2020年8月27日のオンライン会議でキックオフ。その際キタムラから、前期の授業でのことはいったん忘れ、全く新しい発想で各自10点くらいの商品案を考えるようにとの宿題が出ました。学生たちは一人10点以上、合計40数点の商品案を出してきました。フェリス女学院の150年の歴史と伝統を祝う気持ち、同窓生たちへの想い、緑園校舎での学びからの想い、アンネのバラやステンドグラスなどキャンパスでの思い出、受験生への想い、卒業後に社会で活用できるためになど、実用的かつ学生として様々な立場の人への共感から発想しました。

会議では学生たちが用意したパワーポイントの資料をオンラインで共有し、キタムラチームからは専門家の観点から的確なアドバイスやコメントをいただきました。それだけでも学生たちには多くの学びと刺激になったことでしょう。学生たちもよく応え、毎回の遠隔会議を有意義にするために、事前に何度も自分たちだけの会議を遠隔で行い、準備を怠りませんでした。コロナ禍で商品化には至りませんでしたが、オンラインでキタムラの方々がていねいに素材や色の説明をし、学生たちの若い感性を十二分に汲み、最終的に一人1点ずつを選んで完成品にすることを提案してくださいました。学生一人一人のアイデアを大切にしてアイデアから製品ができるまでの「ものつくりの醍醐味」全てを体験させようとしたキタムラに、学生はむろん大学からも感謝の気持ちでいっぱいです。
試作品からさらに細かい意見集約をして、キタムラは最終的に学生一人一人の好きな色で完成品を作ってくださいました。そして今回のプロジェクトの記録が残るように、150周年の学院のためにそれぞれの作品を職人さんの手作りでさらに1点ずつ作ってくださることになりました。

以下は、学生たちからのコメントと各作品の「推しポイント」です。

M.A.(国際交流学部国際交流学科、チームリーダー)
完成した作品を見ていたら、内側のボタンに”KITAMURA MOTOMACHI”と刻印されているのを見つけました。そうやって見えない部分までこだわり、丁寧に一つ一つの商品に向き合う、そんなキタムラさんの商品づくりの姿勢をこのプロジェクトを通して感じ、フェリスと同じく何十年と続いているその所以を垣間見ることができました。同時に、その横浜元町という地を大切にしている心をみて、大学が横浜でよかったなと改めて思うことができました。

トートバッグ

「使いやすくて可愛いサイズ感が推しポイントです。気分を明るくしてくれるこの水色もお気に入りです!」

R.K.(文学部コミュニケーション学科)
全て遠隔会議で、チームで話し合うこと、製品の色や素材を決めることは非常に難しかったです。そのなかで、自分で考えた作品の製作過程を体験する貴重な機会をいただき、商品化までに多くの段階があることを学びました。また、グループのなかでひとりひとりが考えた作品に対し、他のメンバーがフィードバックをおこなったことで良い作品を仕上げることに繋がったと思います。この約1年間の学びと経験を必ず今後の糧にします。

リップケース

「3本のリップが入るケースにするために、高さにこだわりました。本体の色は、上品かつ力強い赤にしました。」

Y.T.(音楽学部音楽芸術学科)
コロナ禍で企業と学生の会議は全て遠隔で行われ、素材や色など伝えたいことも伝わらないという難しさがありました。しかし、学生の意見を汲み取って思い通りの製品を作っていただいたことの感激と、細かなところまで行き届く職人の技術力に興奮しております。キタムラが商品開発をしている際、デザインや素材、使いやすさだけでなく、消費者一人一人のことを想いながら考え製品を生み出していることを直接見ることができた大変貴重な経験となりました。

キーホルダー

「キーホルダーの推しポイントは本体の赤色です。以前、キタムラより音楽学部に作っていただいた楽譜カバーと同じ色を使用しています。」

A.Y.(文学部英語英米文学科)
コラボ企画実現に向け様々な問題がありましたが、柔軟に対応するには事前の準備が大切だと学びました。いくつか商品案を練る際、フェリス女学院とキタムラを詰め込むとしたら…?と意味を込めて考えていくのはとても楽しく、誰かに褒めて頂けた時は凄く嬉しかったです。周りの方々からのアドバイスも得て出来上がった作品や、この経験は宝物です。これまで支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。

マルチポーチ

「様々な形のポケットがポイントです。左側のポケットにはマチも付いています。色も上品でとっても素敵です。」

学生のアイデアがキタムラのプロ魂と職人技とに出会って生まれたこれらの作品は、大学緑園校舎CLA棟2階のウエルカムセンターに展示の予定です。ぜひご覧ください。

音楽学部音楽芸術学科教授 立神粧子

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