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“おたより”

20210603

国際交流学部で学ぶSDGs① SDGs(持続可能な開発目標)とは何か

現在、よりよい国際社会の実現を目指すSDGsに注目が集まっています。国際交流学部では、世界全体やさまざまな地域の政治・経済・社会・文化などを学ぶ中で、SDGsで掲げられている課題を知り、その達成につながる新たな価値観を考える機会が多くあります。フェリス・ブログで、そのような機会を紹介していきたいと思います。

初回は、2018年に共編著書『SDGsを学ぶ』(法律文化社)を出版した高柳彰夫教授が、SDGsについて解説します。

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2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核は、17のゴールと169のターゲットからなるSDGs(持続可能な開発目標)でした。2000年の国連総会で採択され、2015年までの目標であった8つのゴールからなる「ミレニアム開発目標」(MDGs)が途上国を念頭に置いた貧困削減や社会分野(教育・保健など)中心であったのに対し、SDGsは世界の経済・社会・環境にかかわる広範な問題を対象にしています。またSDGsは先進国も含め、すべての諸国で達成することとされます。「誰一人取り残さない」ことや人権を基盤とすることもSDGsの理念です。世界の経済・社会・環境に関する野心的な共通目標に合意したことは画期的なことです。

実施6年目を迎えましたが、新型コロナウイルスの世界的パンデミックがSDGsの達成に深刻な影響を与えています。例えばゴール1「貧困を終わらせる」については、世界の極度の貧困(1人1日1.90米ドル未満で暮らす人)は1998年以来一貫して減っていたものの、パンデミック前のペースでは2030年までに終わらせることはできず、極度の貧困人口が6%残ると予想されていました。それがパンデミックにより世界の極度の貧困人口は6.45億人(2019年)から7.33億人(2020年)に増加したと推計されています。

バンコクのスラムのNGOの保育園の子どもたちと

国際交流学部国際交流学科教授 高柳彰夫

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