01from ferris to you

“おたより”

20210311

ボランティアセンター主催:国際シンポジウム「日本と減災教育」を開催

松浦晃一郎大使(第8代ユネスコ事務局長)によるビデオメッセージにより、開演。

2021年1月25日(月)、ボランティアセンターが国際シンポジウム「日本と減災教育―ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)・SDGsの取り組みからみた減災の街づくりと海外とのパートナーシップ」を主催しました。

本シンポジウムの冒頭では松浦晃一郎(まつうらこういちろう)大使(第8代ユネスコ事務局長)から、ユネスコ事務局長としてのご経験をふまえたESD及びSDGsの観点から、減災教育の取り組みや、日本が震災の経験をもとにESD及びSDGsの観点からも世界に発信する重要性を持つこと、また、当センターによる減災教育に関する本イニシアチブに関する激励がビデオメッセージとして述べられました。

戸羽太(とばふとし)氏(岩手県陸前高田市長)からは、「防災・減災教育とまちづくり」を題とし、東日本大震災における陸前高田市の被災経験から現在どのように防災・減災教育に取り組まれているかの事例として、教育現場における地域住民及び小学校等での避難訓練や減災研修、防災マイスター養成講座のカリキュラムを紹介していただきました。また同大震災にて、岩手県立高田高校の実習船がアメリカのクレセントシティー(カリフォルニア州)に漂着したことを機に両市が姉妹都市になり、減災教育や文化交流において連携をなされていることも紹介されました。

春田博己(はるたひろき)氏(外務省 国際協力局地球規模課題総括課 課長補佐)からは、外務省によるSDGsに関する概要や地球規模課題への取り組みについて説明していただきました。また、ご自身が赴任されていたイエメンの教育の現状や課題について現場の写真とともに解説していただき、平和構築の実現のためには教育が重要であることを再確認することができました。

竹本明生(たけもとあきお)氏(国連大学サステイナビリティ高等研究所 (UNU-IAS) プログラムヘッド)からは、「国連大学のESDの取り組み」と題して、ESDの概要や国連大学がESDと認定したRCE(Regional Center on ESD:ESD推進の地域拠点)の拠点のご紹介、特にRCE兵庫―神戸やRCE北九州による大牟田等の豪雨被災地支援等についてお話ししていただき、地域に根付いた被災地支援の重要性についても提言されました。

また、海外からのゲストであるDr. Harkunti Rahayuからは、日本と同様、これまでに多くの地震による津波の被害が多く発生しているインドネシアの減災教育について紹介され、被災の経験を可視化し、後世に減災教育を伝えていく重要性について話されました。
本シンポジウムによって、長年津波の被害を受けて来た日本、アメリカ、インドネシアの3カ国による減災教育に関する現状や課題について共有し、お互いが連携することの重要性を再確認しました。

学生からは「日本以外の減災教育について学ぶ良い機会となった」「東日本大震災の経験を忘れず、次の世代にも伝えたい」と感想という感想が寄せられました。

これからも、当センターでは、継続的に減災教育について取り組み、インプットとアウトプットの両方を大切にし、経験を可視化し、減災教育を後世につなげていきます。
本シンポジウムでは、学生及び教職員、一般の方々、計80名がご出席されました。この場をお借りして、ご登壇して下さいましたパネリストの皆様、関係者の皆様、ご出席して下さった方々に厚く御礼を申し上げます。

<プログラム>
モデレーター 堀尾藍コーディネーター
13:10~13:15 ベンヤミン・ミドルトンセンター長挨拶

<特別ゲスト(ビデオレター)>
13:15~13:20 松浦晃一郎大使(第8代ユネスコ事務局長)

<パネリスト>
13:20~13:40 戸羽太氏(岩手県陸前高田市長)
「防災・減災教育とまちづくり」

13:40~14:00 春田博己氏(外務省 国際協力局地球規模課題総括課課長補佐)
「持続可能な開発目標(SDGs)と地球規模課題への取り組み」

14:00~14:20 竹本明生氏(国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)プログラムヘッド)
「国連大学におけるESDに対する取組み」

(4限目)14:50~16:20
14:50~15:10  Dr. Harkunti Rahayu, Bandung Institute of Technology
「日本とインドネシアの減災教育におけるパートナーシップ(仮)」

休憩

15:10~15:40 パネルディスカッション

15:40~15:50 フェリス女学院大学ボランティアセンター被災地支援プロジェクトチーム

15:50~16:20 質疑応答

<<パネリスト紹介>>

松浦晃一郎(まつうらこういちろう)大使 (ビデオレター)
第8代ユネスコ事務局長。外交官として、在フランス日本国大使(1994年)等を歴任。学術博士号所得(2011年)。主な著書に「アフリカ曙光」(2009年),かまくら春秋社がある。

戸羽太(とばふとし)
岩手県陸前高田市長(第3期)。1965年神奈川県足柄上郡町田町生まれ。東京都立町田高校卒。米への留学経験あり。2011年2月の市長選に初出馬、初当選を果たし、東北地方で一番若い市長として就任。2011年の東日本大震災では、壊滅的な被害を受け、以降、「0からまちをつくる」大規模な復興に取り組む。

春田博己(はるたひろき)
外務省地球規模課題総括課 課長補佐。2004年外務省入省。在イエメン日本国大使館、海外邦人安全課などで勤務。17年より現職。

竹本明生(たけもとあきお)
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)プログラムヘッド。環境省、通商産業省、外務省などで気候変動政策等の環境政策を担当。地球環境ファシリティ(GEF)において開発途上国の環境対策を支援。2020年6月から現職。

●Dr. Harkunti P. Rahayu
Bandung Institute of Technology所属。減災教育・津波に関する論文を多数執筆。
Rahayu, H.P., Comfort, L.K., Haigh, R., Amaratunga, D. and Khoirunnisa, D. (2020), “A study of people-centered early warning system in the face of near-field tsunami risk for Indonesian coastal cities,”International Journal of Disaster Resilience in the Built Environment, Vol. 11, No. 2, pp. 241-262. https://doi.org/10.1108/IJDRBE-10-2019-0068
Rahayu, H.P., Haigh, R., Amaratunga, D., Kombaitan, B., Khoirunnisa, D. and Pradana, V. (2019), “A micro scale study of climate change adaptation and disaster risk reduction in coastal urban strategic planning for the Jakarta,” International Journal of Disaster Resilience in the Built Environment, Vol. 11, No. 1, pp. 119-133. https://doi.org/10.1108/IJDRBE-10-2019-0073

scroll to top