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“おたより”

20210309

コロナ禍の中で、子どもたちに寄り添う~「共生のフィールドワーク」の受講生がオンライン報告会を行いました

ふれあい館での事前オリエンテーションの様子

コミュニケーション学科の専門科目、「共生のフィールドワーク」は、多文化共生の現場でのフィールドワーク実習科目、PBL科目です。神奈川県内で外国につながる子どもや、多様な社会経済的条件の下で育った子どもたちのサポートやエンパワーメントにかかわる活動をしている複数の団体の活動に、受講生がチームで継続的に参加し、現場の実践から学びながら「共生」概念について理解を深めることを目的にしています。

今年度はコロナ禍の中ではありましたが、受け入れ先の方々とも十分に相談をした上で、①ふれあい館(社会福祉法人・青丘社。川崎市桜本地区での外国につながる子どもや生活保護世帯の小・中学生の学習サポートと居場所づくり)および②きずなレッジ(カトリック藤沢教会での外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援や、居場所づくり活動のサポート)での週1回約4か月間の実習に、3名の学生が取り組みました。

コロナ禍の影響で、実習先の子どもたちはこれまで以上に、学校でも家庭でもない「居場所」を必要としていました。そして、限られた時間の中ではありましたが、「共生のフィールドワーク」受講生たちも、多くの不安が子どもたちを取り巻く中で、「共に生きる」ことの意味をかみしめたようです。

「実習では子どもたちや現場の先生方と言葉を交わす中で、自分の中にある“普通”という概念がいかに壁になっているのかということを痛感しました。授業では一人一人が実習先であったエピソードを話し、様々なルーツや環境で過ごす子どもたちとの触れ合いの中で生まれた喜びや悩みを共有することで、“自分以外の誰かと通じること”の面白さを感じました。講義だけでは見えてこない“共生”について、じっくり考えられる貴重な時間でした」(受講生の感想から)

毎年、受け入れ先のみなさんをお招きして行っている最終報告会も、今年はオンライン開催となりましたが、それぞれ個性的な成果発表がなされました。今年度特徴的だったのは、受講生それぞれが、今回の特別な社会状況の中での「共生のフィールドワーク」で自ら学びとったことを、具体的に自分自身のキャリアに活かしていきたい、と話したことでした。
困難な状況にあるからこそ、これまでとは異なる発見ができる、社会科学的なものの見方を実践を通して鍛えることができる、ということをあらためて気づかされた半期の授業でした。

文学部コミュニケーション学科教授 小ヶ谷千穂

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