“おたより”

音楽学部では今年度、オンラインで公開講座を開催しています。12月22日（火）には「アメリカのオペラ団体とその育成プログラム」を、本学の非常勤講師も務める武井涼子先生をお招きして開催しました。
専門性の高いテーマにも関わらず、音楽学部の学生だけでなく他学部の学生や教職員も参加し、1時間半の濃密な講義となりました。

武井先生は声楽家とマーケターという異色なキャリアをお持ちで、今回はアメリカのオペラ団体に焦点を当てて、日本とは大きく異なるその運営方法と、運営に深く関係する若手歌手の育成プログラムについてお話を伺いました。アメリカのオペラ業界の市場規模の大きさに驚きつつも、非常に合理的とも言える運営システムは大変興味深いものでした。アメリカと日本では文化的な背景の違いはありますが、演奏家として、経営・運営者として、あるいは観客・支援者として、それぞれの立場から文化を育てるヒントを得ることができました。受講生たちは、武井先生のエネルギッシュな講義によって、日本の現状を悲観するのではなく、これからの芸術団体の在り方について前向きな気持ちで考えることができたのではないでしょうか。

次回は、1月13日（水）に開催された公開講座「江戸時代の史料でたどる歌舞伎音楽」のレポートをお届けします。

音楽学部 演奏会室