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“おたより”

20200331

福永保代先生最終講義「赤狩りとハリウッド:歴史からみる映画の諸相」

去る1月20日(月)3限目(13:10~14:40)に、今年度でご退職される福永保代先生の最終講義が開催されました。通常の授業「英語圏の映画と映像2」の最終週の講義を兼ねたもので、議題は「赤狩りとハリウッド:歴史からみる映画の諸相」でした。主な内容は、第二次世界大戦終了から1950年代前半にかけての「赤狩り(マッカーシズム)の時代」におけるハリウッド関係者の受難とその後の「名誉回復」に関したものでした。ご講義の最後では、同時期に制作・公開され、福永先生もその字幕の監修に関与されたオードリー・ヘップバーン主演の名作映画『ローマの休日』の最終場面が上映され、その中でマッカーシズムを示すような箇所を何でもいいから指摘しなさい、という問題が学生に対して投げかけられました。ここに、映画の一部についてどのようなことでもとにかく自ら気づいた点を指摘させ、自分の映画の見方のオリジナリティを発見させるという先生独特の教育方針が見受けられると言えるかもしれません。

ご講義はパワーポイントを用いた、詳細な画像・映像による話題豊富なもので、聴いている者を飽きさせない工夫がなされており、教育者として勉強になるところが多々ありました。また、特にこの授業の受講生は普段の授業の一環でありながらも、最終講義ゆえに他の聴衆もいたせいか、かなり緊張していたようです。人気の授業の先生の最終講義ということもあり、受講生ではない学生もたくさん詰めかけ、会場のキダーホール(収容人数:262名)が観客で埋め尽くされるほどの盛会でした。現4年ゼミ生の代表者からの花束の贈呈を持ってお開きとなりました。英文学会の協力もあったことを付け加えさせていただきます。

続いて15時からは場を移し、福永先生を囲んでの茶話会となりました。文学部長、英語英米文学科教員、国際交流学部の現・元教員、職員の他に、福永ゼミの卒業生有志が来校し、こちらも盛会となりました。途中、先生からご退職にあたってのご挨拶もありました。

福永先生は、1998年、フェリス女学院大学文学部英文学科専任教員として着任され、以来22年間、専門分野の映画研究、応用言語学を中心とした授業で教鞭を取られる傍ら、英語教育運営委員会委員長および就職部長を歴任されました。研究面では、1990年代より、映画シナリオの翻訳と解説にたずさわられ、映画で英語を学ぶ映画英語教育、映画リテラシーを目的とする映画研究の分野で活動を続けてこられました。ご退職後もご専門の分野でさらなる成果を上げられることを期待しております。

長らく、お疲れ様でございました。

英語英米文学科主任:中川正紀

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