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“おたより”

20190124

コミュニケーション学科:「からだとコミュニケーション」ゼミの卒業論文執筆のあれこれ

コミュニケーション学科による、ゼミ別・卒業論文に関するレポート第四弾です。
本日は、舞踊学・スポーツ人類学を専門とする高橋京子先生の「からだとコミュニケーション」ゼミからです。


高橋ゼミは「からだとコミュニケーション」ゼミということで、身体表現、身体文化などの非言語メディアを中心にゼミを展開しています。

卒業するためには、卒業論文は避けては通れません。そこで準備段階として、ゼミでは寒川恒夫編著『よくわかるスポーツ人類学』(ミネルヴァ書房、2017)を読んでいます。この本には、気晴らし、遊びまでを含む広義のスポーツを対象に、健康やからだのこと、部活動やスポーツ漫画のこと、ダンスや民族スポーツのことなど多様な視点が取り上げられていて、これまでにダンスやスポーツなどを経験していなかったり、まだテーマが決まっていない人にとっても、面白い!と心に引っかかる話題が必ず見つかる本です。

次に、どのように研究していくかという問題ですが、高橋ゼミでは質的研究を用いていきます。量的研究に対し、質的研究とは自らの足を使ってフィールドワーク(現地調査)をし、その中でインタビューや参与観察、実際に体験するなどして、より深く追求して質を問う方法です。一歩でも、二歩でも現地/現場に足を踏み入れて、より詳しく、その対象を知る、研究スタイルをとっています。

その練習として、前期の終わりに3年生と一緒に、首都圏で実施される新宿エイサー祭りや東京高円寺阿波踊り、原宿表参道元気祭スーパーよさこいなどに足を運んできました。現地/現場に足を踏み入れると、踊り手たちの熱気や観客の関心の高さがうかがえ、さらに新たな疑問がわき、より知りたいという動機へとつながっていくからです。

高橋ゼミでは3年生でプレプレ卒業論文、プレ卒業論文を書いて腕試しをします。そして4年生になるといよいよ卒業論文の執筆です。

卒業論文では、食育、クラシックバレエやミュージカル、日本舞踊、地元の歌舞伎や神楽、しぐさや視線やおもてなし、ベトナムの武術や笑いヨガなどなど、各自が「からだ」に関連する興味関心のあるテーマを見つけ、それについて足を使って情報を収集すべくフィールドワークを行ってもらいます。インタビューや参与観察、写真やビデオ撮影、可能であれば自らの身体を使って体験するように勧めています。

また卒業論文に収まらない体験型の研究をしたい人には、卒業制作も選択できます。これまでに誰もやったことがない手法、例えば一人で朗読をしながら演技する朗読劇ではなく一人に朗読をしてもらい、その横で演技をする「朗読+演技」であったり、自身の考案した手法で中学校演劇部にてワークショップを行ったりなど、自らの身体を用いて映像におさめます。

このように、実際に行動する!ことをモットーにしていますので、写真のようにゲストスピーカーに来てもらうこともあります。今年は、Estill Voice Training講師の稲幸恵先生をお招きし、声を変化させることで伝える力を変えていくという発声法についてワークショップをしてもらいました。最後にはクリスマス目前ということで、学んだ方法を使ってSilent Nightを歌いました。他にも皆でエンターテインメントとして舞台鑑賞にも行きます。これまでに宝塚歌劇団やタップの舞台を観てきました。今年は劇団四季『パリのアメリカ人』を観に行ってきます!

文学部コミュニケーション学科准教授 高橋 京子

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