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“おたより”

20190111

コミュニケーション学科:異文化コミュニケーション・ゼミのゼミ合宿の報告

今回は、異文化コミュニケーション論とキリスト教神学を専門とする相澤一先生の多文化共生ゼミから、夏のゼミ合宿報告をします。


異文化コミュニケーションを専門に学ぶ相澤ゼミでは、毎年ゼミ合宿を実施しています。異文化コミュニケーションは、教室で本を読んで勉強することも大切ですが、実際に異文化の中に飛び込んでみて初めて実感できることも多いものですし、異文化体験を通して逆に本で学んだ内容がよく分かったりするものです。

今年は、8月24日から28日にかけて、マレーシアを訪問しました。現在、グローバル化という名のアメリカ化が世界中で進んでおり、それに対してイスラム圏は真っ向から反対しています。一方、マレーシアはイスラム教の国なので完全にアメリカ化してしまうことはなく、しかし中東からも距離があるせいか、過激なイスラムを標榜する人々も見当たりません。ですから、多民族国家であるにも関わらず平和である、という21世紀のグローバル化のモデルとなるような国であり、異文化コミュニケーションや多文化共生について考えるにはよい訪問先であると言えるでしょう。

クアラルンプールでは、最初にこの地で異文化コミュニケーションを実践した大先輩への表敬訪問として日本人墓地を訪れました。明治大正といった、海外に行くことのハードルが今よりもはるかに高かった時代、すでにたくさんの日本人がクアラルンプールで暮らしていたのです。

続いてイスラム美術館、国立モスクと、イスラム関連の施設を訪問。モスクに入る際、肌の露出がないようローブを着ることを求められたり、ハラルフードのレストランに入ったり、西洋美術とも日本美術とも違うイスラム美術に触れたりと、イスラム文化を初体験しました。また、市内観光では、「(インスタグラム用の)映え」スポット巡り(実はマレーシアはインスタ投稿率世界一だったりします)や、ショッピングモール巡り(敷地面積世界トップ10のショッピングモールのうち3つがクアラルンプールにあります)など、最先端スポットもしっかり堪能。

翌日は、クアラルンプールから国内線で移動して、クアラトレンガヌを訪れました。ここは、戦前にチャイナタウンの一角に日本人街があった町で、「マレーのハリマオ」と呼ばれ、『快傑ハリマオ』のモデルにもなった日本人、谷豊が暮らしていた町でもあります。旧日本人街は再開発され昔の面影はありませんが、チャイナタウンの大部分は当時のままであり、往時がしのばれました。クアラトレンガヌは住民のほとんどがイスラム教徒で、観光客の外国人も歩いておらず、クアラルンプールとはまた違った町の雰囲気で、みんな緊張気味でしたが、いい経験ができたようです。

他にも、トイレ、食事、従業員の接客と、異文化コミュニケーションの学びの中でしばしば聞かれる「私たちとは違う『当たり前』で生きている人々」との触れ合いを、時には戸惑いつつも楽しんで帰ってきた4泊5日でした。

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