03special

“よみもの”

20181114

アジアの環境問題・アジア現地実習:「地域の、地球の課題に向き合う」

国際交流学部 国際交流学科 知足章宏 准教授

本学国際交流学部では、専門科目として「アジアの環境問題」が開講されています。なぜ、「アジアの環境問題」を学ぶ必要があるのでしょうか? その理由は、世界人口の約60%(約45億人)を有するアジアの環境問題が地域・国・地球の持続可能性を脅かす重大な問題であり、世界中の人々が真剣に考え、協力していかなければ解決し得ない地球規模の課題(グローバル・イシュー)だからです。

中国、アジアの大気汚染の原因は?(2013年2月、中国天津市で撮影)。

アジア各国では、急速な経済成長・開発に伴う「圧縮型工業化」、「爆発的都市化」によって、かつてないほどの資源・エネルギー利用、大量生産・大量消費が拡大し、環境汚染・環境破壊が各地で深刻化しています。
この問題の特徴の一つは、環境問題の深刻な被害が農村・貧困地域など特定の人々に集中する傾向(環境の不公平性)がある一方、その原因は、地域や国内だけでなく、地球規模にあるということです。
例えば、以下の環境問題は、全てアジアのある地域で起こっている環境問題ですが、その原因は、全て自分たちの生活・世界との繋がりがあります。

・エビ養殖と環境問題
・森林破壊、労働・人権問題とパーム油
・鉱山開発、化学工場と環境汚染の村
・スマートフォンと環境破壊

これらの環境問題を社会科学の観点から深く追究することは、問題の背景にあるグローバル化・政治・経済・格差・貧困・人権及び政府・国際機関・企業・NGO・市民の責任とは何か、について国境を越えて徹底的に考えていくことでもあります。これらは、どこがどう繋がっているのか、誰が、何を変えなければならないのか、など多様な側面を考え、実践していかなければ、環境問題は決して解決しません。
本学では、「アジアの環境問題」を現地で体験し、改善策を現地の大学生と共に考える海外実習科目「アジア現地実習」(2019年度はベトナム・フエ、ダナンで実施予定)も開講予定です。アジアや世界の人々と、環境問題をどうすれば改善できるのか、協力できることは何か、考え、実践していきましょう。

「アジア現地実習」(2019年度)の予定地であるベトナム・フエのエビ養殖地

 

(2018年11月14日)

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