03special
“よみもの”
20181112
私の専門は、コミュニケーション論と言われる分野ですが、英語で表現すると「Communication Studies」と複数形で表現されるんです。ということは、その中にいろんな分野があるってことなんですね。私の場合は、人と社会との間を媒介するメディア(ならびにレトリック)であれば、なんでも興味を寄せています。SNS、アニメ、テレビ、映画、ミュージアム、モニュメント、都市、広告などなど、あらゆるものが研究対象になると思っています。
特に興味を寄せているのは視覚に関係するものです。それを二種類に分け、内容を紹介しつつ、みなさんに「問い」を出しておきます。みなさんなりに、考えてみてください。きっと、勉強することが分かってきます。
一つ目は、映像です。これには映画や写真なども入りますので、「映画・映像文化」という授業も担当しています。技術革新によって、様々なメディアが生み出されてきましたが、それぞれ固有に私たちの目に映るものや映り方が変化してきました。
例えば、現在、みなさんはSNSでシェアするために写真を撮りますよね。誰でも写真家になることができるわけです。しかし、日本にカメラが入ってきた19世紀後半ですと、写真を撮ることはまだ特別なことだったわけです。被写体となる人たちは、権力者ばかりだったし、にっこりと笑うなんてことなど絶対になかったんです。今は、誰でも写真に写りますし、笑顔で映ろうとしますよね。さて、どうして、こんなに大きな変化が生じたのでしょうか。
二つ目、博物館やテーマパークなどにある展示物の持つ政治や文化との関係です。例えば、ディズニーランドあたりで、のろしを上げているインディアンのミニチュアとか、時には人食い人種なるものが登場するのを思い出すことはできますか。このような人たちがミニチュアになったり、ストーリーに登場するのは、私たちの「見る」という行為に、なんらかの原因があるのではないかという仮説を立てたりします。さて、どのような原因なのでしょうか。そして、その「私たち」とは、どのような人たちなのでしょうか。
一例にしかすぎませんが、このような「問い」に対する答えをコミュニケーションの問題として考察していきたいと思っております。コミュニケーション学科で、一緒に学んでみませんか。
(2018年11月13日)