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“おたより”
20180925
8月4日(土)、ボランティアセンターでは、設立15周年記念シンポジウム「東日本大震災とボランティアセンター /〜福島の子ども達の保養『サマースクールプログラム@横浜』」を開催しました。
第一部では、基調講演として、佐藤真紀氏(JIM-NET事務局長)が「医療からみた福島の復興と課題―福島支援の7年を振り返って見えてきたもの」を題した基調講演を行いました。佐藤氏は、福島で震災直後から支援を開始しており、当時の写真と共に、被災者に寄り添った支援の重要性を主張されました。福島を元気にすることにも心がけておられ、「復興のシンボルになった「赤ベコ」という福島県会津の伝統玩具にヒントを得てサッカーのユニフォームをペイントした「サカベコ」を考案し、福島や紛争地の中東の子どもたちに平和のメッセージを添えて作ってもらい、それを展示して文化交流も実施しているとのことです。
また、小笠原公子初代コーディネーター及び学生スタッフOGからは、ボランティアセンターが2011年から2016年まで実施した、福島県の子ども達を夏休みに横浜市に疎開させるプログラムの企画・立案の背景を説明し、プログラムの運営の背景、概要について報告を行いました。
第二部では、西崎伸子氏(福島大学教員)から「当事者として検証する3.11原発支援とボランティアの課題~福島の子どもプロジェクトの活動から」を題として、「支援をする際には、現地の歴史や社会、文化等を理解することが大切」であることや、「人々の自ら立ち上がろうとする力(エンパワーメント)を引き出す必要がある」ことが話されました。また、被災体験を言語化し後世に伝えていくことの大切さも指摘されました。西崎氏ご自身も福島大学にて被災体験を言語化する取り組みを行っています。
次に学生スタッフから、他の東北地方におけるボランティア活動について、被災地支援は実際に現地に足を運ぶことが大切であるとの報告があり、続いて、堀尾藍(現ボランティアセンター・コーディネーター)からは今年3月に学生スタッフ研修旅行で視察した宮城県仙台市・東松山市の被災状況、復興について報告し、7月での同地域の出張報告をふまえて、伝統文化を大切にした支援、現地のニーズに適した支援の重要性について報告しました。
シンポジウムの発表者からは、いずれも、被災者と支援者との関係は対等のものであり、被災者自身が復興の主な担い手であるとの指摘があり、今後の被災地に対するボランティアセンターの役割について再考する良い機会となりました。
シンポジウムに参加した学生からは「先輩方が企画運営していたプログラムの振り返りに参加することで、学ぶことが多かった」「今後、防災について、ボランティアセンターがどのように取り組むか考えるきっかけになった」という感想が述べられました。
今年で15周年となるボランティアセンターは学生スタッフ主体でプロジェクトの企画・運営を実施しています。これからも当センターは、学生に学際的な学びの場を提供し、本学の教育理念「For Others」に基づいた活動を支援していきたいと考えています。
ボランティアセンター コーディネーター 堀尾 藍