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“おたより”

20180807

多文化コミュニケーション学会、研修旅行へ ~サーカスのグローバル化を考える~

多文化コミュニケーション学会のメンバーと

コミュニケーション学科付設の、学生による「多文化コミュニケーション学会」という学術団体があります。今回は、7月8日(日)、東京お台場で開催されていた、シルク・ドゥ・ソレイユによるサーカス・ショー(「キュリオス」)を見学しに行きました。学会には、年に、1,2回、このような研修旅行があります。教員3名、副手3名、学生27名が参加しました。

多文化コミュニケーション学会のメンバーと

まず、シルク・ドゥ・ソレイユのことをご存じない方のために、説明を加えながら、ショーの内容を紹介します。

シルク・ドゥ・ソレイユは世界的にも有名なサーカス団で、従来のものとは全く異なるサーカスをすることでよく知られたグループです。どの部分が従来のサーカスと異なるのかといえば、動物による曲芸がないことです。多くのサーカス団が、動物愛護の観点から批判を浴びてきたのですが、シルク・ドゥ・ソレイユは、動物を使用しないことでよく知られるようになりました。

シルク・ドゥ・ソレイユ

今回も、動物による曲芸はなく、代わりにライオンの曲芸を身体で表現したものがありました。パントマイムのようなジェスチャーだけで、ライオンを操っているように見えるショーには本当に驚かされました。

次に、サーカスにつきものだった「異世界性」がないのです。もちろん、空中ブランコや高く積み上げた椅子の上での倒立などもあるのですが、従来のもののように危険と隣り合わせでハラハラドキドキするのとは全く異なりました。パフォーマンスをしている人たちは、本当に鍛え上げられており、器械体操の世界選手権でも見ているような気持ちになります。
まとめるならば、シルク・ドゥ・ソレイユによるサーカスは危険と隣り合わせの曲芸ではなく、アスリートによるパフォーマンス・アートなのです。サーカスがグローバル化する中で、サーカスの在り方も大きな変化を遂げたのです。

コミュニケーション学科では、身体表現(非言語コミュニケーション)のことを学ぶゼミもありますし、サーカスのように人が集まる場所をメディアとして分析するメディア研究を学ぶゼミもあります。
この日の研修旅行は、楽しいことも多かったのですが、コミュニケーション研究の観点から、非常に興味深い部分が多かったと思います。卒論を書く段になり、「サーカスのグローバル化」をテーマに選ぶ学生も出てくるのかもしれません。

文学部コミュニケーション学科教授 藤巻光浩

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