02interview
“わたしたち”
20180228
音楽学部
演奏学科 2011年度卒
大山 珠聖さん
私は、私立中高一貫の女子校で音楽教員として勤務しています。音楽の教員になることは中学生の頃からの夢でした。フェリスに入学した当初から、教員になることが夢だと宣言していたので、先生方には常日頃からそのことを意識して指導していただいたように感じます。また、フェリスを卒業する際には、このまま教員になるのではなく、教育学を学びたいと考えていました。そのため他大学の大学院の教育学専攻を志望しましたが、その際にも先生方は大学院受験に向けて熱心に指導してくださり、無事に合格することができました。
学生ひとりひとりに対する丁寧な指導は少人数の学科ならではですし、学生の夢を叶えるために親身になってバックアップをしてくださるのはフェリスの温かくて穏やかな校風によるものだと思います。
現在は、中学校2年生から高等学校3年生の5学年の授業を担当しています。なかでも高校生の授業は、自由にグループを作り、自分たちの好きな曲を好きな形態で練習するという、非常に自由度が高い授業を行っています。クラシックのピアノや声楽をソロで演奏する生徒もいれば、バンドを組んだり、リコーダー4重奏だったり、和楽器だったり、ハンドベルだったり…。自由度が高い分、曲のジャンルもさまざまです。
生徒に好きな曲を選ばせると明らかなのですが、生徒の関心が強いのはポップスです。ポップスというと音楽的な学びができないように思われがちですが、私は、まずは好きな曲から音楽を学ぶことを学んでくれればよいと考えています。大学時代にご指導いただいた先生は、クラシックはもちろんのこと、ミュージカルやポップスのことも教えてくださっていたので、今も授業にその学びが生かせていると思います。
一方で、音楽を教えるだけではなく、発表や鑑賞をする「環境を作る」ことも積極的に行っています。発表会という目標を立て、生徒の意見を聞きながら企画をし、実施にむけて学校や業者との調整を行います。学期ごとだったり、学年末だったり、卒業記念だったりと、発表会の立ち位置を変えていくことで常に新鮮な学びがあるようにも工夫しています。また、お客様がいた方が生徒のやりがいにも繋がるので、授業内の発表会であっても先生方や事務の方々に宣伝をし、お客様集めもしています。
鑑賞に関しては、生徒は生の音楽を体験する機会が少ないので、学校外でのコンサート鑑賞にも参加を促し、できるだけ多くの引率をするようにもしています。これらの仕事はやらなくてはならない仕事ではありません。ですが、これらをやることで生徒は格段に成長します。これからも時間が許す限り、生徒が成長する機会をたくさん作っていきたいと思っています。
フェリスで学生生活を共にした友人たちとは、いまだに頻繁に交流をしています。音楽の教員は一つの学校にほぼ一人のため、音楽の授業に関する悩みや相談を学校内で共有することがなかなかできません。そんな時にフェリスでの友人たちに相談に乗ってもらっています。専門も進んだ道も違いますが、だからこそ色々な視点からアドバイスをもらうことができます。学校では一人で授業をしていますが、友人たちの知恵や考えに支えられた授業になっていると思います。
教員として私が大切にしていることは、生徒との「信頼関係」です。それはフェリスで学んだ4年間で、私自身が先生方から与えていただいたものでもあります。
現在の職場である星美学園の創設者の言葉に、「愛情から信頼が生まれ、信頼から教育が生まれる」という言葉があります。その言葉の通り、星美学園の先生方の生徒との信頼関係は非常に強いです。そんな周りの先生方に少しでも追いつけるよう、これからも生徒とよい関わりをしていきたいと思っています。