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“おたより”

20180111

CLA科目探索Vol.2 「持続可能な未来のための教育」(担当:高雄綾子先生)

2017年4月にCLAが開設されて半年が経ちました。2017年後期も多彩なCLA科目が開講されています。その一部を紹介します。

「持続可能な未来のための教育」(担当:高雄綾子先生)
環境を保全し貧困をなくすために、国際社会では、2030年までに達成すべき17の「持続可能な開発の目標」を定めました。その4番目が「教育」です。この授業では、ドイツにおける「持続可能な開発のための教育(ESD)」の実践を紹介し、先進国のESDはどうあるべきかについて、議論し、理解を深めていきます。ドイツはエネルギー、経済、移民・難民、社会格差など様々な問題を教育で取り上げ、実践的に学んでいます。

この授業で身につけてほしい力は、以下の3つです。
◆グローバルな課題としての「持続可能な未来」の理念を、自国や他国の社会の実態に即して理解できる。
◆環境問題を、自分の受けてきた教育や、住んでいる社会のあり方と結びつけて考える。
◆ドイツのESDの実践を通じて、自分の社会で、持続可能な未来を実現するプロセスを具体的にイメージできる。また、そのイメージをわかりやすくまとめ、自分の考える未来像として人に示し、異なる意見を取り込みながら、共同で合意形成するためのコミュニケーション能力を育む。

持続可能な開発は、抽象的な概念で、幅広い分野に渡るため、なかなか理解するのが難しいのですが、この授業では、学生同士で話し合い、発表することによって、様々な視点があることを学んでいきます。
ある回では、世界中に立地する原発について、先進国と途上国の両方の立場から現状を紹介し、それをもとに、推進派と反対派に分かれてディベートを行いました。その上で、最終的に日本では原発をどうしていくべきかについて、意見を交換しました。
授業の感想として、「発言するために自ら調べることが多く、受け身の授業より記憶に残りやすく、理解がより深まった。」「普段自分の考えしかわからず、それがみんなも思っていることだと思っていたが、他の人の意見も聞いて、そんな考えもあるのだと思い、面白かった。」「自分の考えが全てだという狭い視野が広がったし、色々な意見があるのだと知ることができた。」という内容が寄せられています。

ドイツの教育の原則のひとつに、「政治的論争のある話題は論争があるものとして扱う」というものがあります。答えのない問題に対して、自分の意見を述べることは勇気がいるものですが、少人数のこのクラスでは和気あいあいとした雰囲気の中、自由に発言してもらっています。時には教員がはっと驚くようなアイディアも飛び出すので、毎回大きな学びがあります。

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