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“わたしたち”

20171010

音楽を通して人と繋がり、幸せを感じられる場を作りたい

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私はクラシックの音楽事務所に勤務し、経理と子ども向けのコンサートやワークショップの企画を担当しています。会社の事業内容は、演奏家のマネージメント、海外演奏家の招聘、コンサートや音楽祭の企画実施などです。経理の仕事は、出演料や様々な経費の支払、プロジェクトごとの帳簿の管理などで、入社後に社内で教わりながら個人的にも簿記の勉強をしました。子ども向けコンサートの企画の仕事では、子ども達が退屈せずに楽しめるような客席参加型の演出を考え、司会者用の台本を作成することもあります。ワークショップの企画では音楽祭のテーマにあったワークショップ内容を考え講師を選定し、講師と相談しながら内容を調整します。とくに企画の仕事では、大学で学んだ音楽の知識を土台として活かしながら、常に新たなことを学んでいます。例えば演奏家と接する中では、演奏家から楽曲の解釈や表現の面白さなどを学ぶこともありますし、書籍などで楽曲や作曲家について調べることもあります。演奏家やスタッフの方々と協働しながら企画したプログラムが形となり本番を迎え、お客様が楽しんでくださっている様子を見ることがとても嬉しいです。

大学4年生の秋に現在の会社で採用募集があり半年程度のインターンシップ、試用期間を経て社員になりました。就職活動をする中で、どの業界に進むか悩んでいた時期もありましたが、大学のキャリアに関する授業の中で行った自己分析で、「エンターテインメントに関わる仕事がしたい」という思いを再認識し、現在の道に進みました。また、所属ゼミで行っていた、幼稚園や病院でのアウトリーチコンサートを企画実施する活動が、現在の仕事のルーツになっていると感じます。

子供向けワークショップの企画を担当

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また、会社の仕事とは別に、音楽ワークショップの企画・実施を行う「ワークショップリーダー」という活動をしています。私が行っているワークショップは参加者の方と一緒に歌ったり、合奏をしたり、音楽作りをしたり、音楽に合わせて身体を動かしたりするもので、乳幼児からご高齢の方まで、様々な世代の方を対象に実施しています。主な活動場所は東京都内の公共音楽ホール、幼稚園、小学校などです。テーマや使用する楽曲を考え、乳幼児が参加型で体感しながら音楽を鑑賞できるアプローチを考えたり、子どもから大人まで誰もが楽しんで音楽を奏でられるような音楽遊びを考えたりしています。参加者と一緒に歌うための簡単な歌等を作曲することもあります。ワークショップを実施する際は2人のワークショップリーダーで30人程度の参加者を対象に実施することが多いです。2人で分担しながら歌、合奏、踊り、ボディパーカッションなどの指導をするので、もう一方のワークショップリーダーが指導している時はピアノや打楽器で伴奏をして活動を支えます。

この活動を始めたきっかけは、公共音楽ホールが主催しているワークショップリーダー育成講座を受講したことでした。この講座はポルト(ポルトガル)にある音楽ホールで活動しているワークショップリーダーが講師として来日し、ワークショップリーダーのノウハウを教えてくれるというものでした。講座の修了後には研修旅行に参加し、実際にポルトの音楽ホールで様々なワークショップを見学したり、ワークショップリーダー育成トレーニングに参加しました。

ポルトの音楽ホール

現地のワークショップリーダー育成講座に参加

 

そもそも、この講座を受講した理由は、音楽事務所で担当している子ども向けプログラムの企画に使える手法やアイディアを学ぶためだったのですが、元来、表現したり、人と接することが好きな気質があったので、結果的にワークショップリーダーとしての活動も始めることになりました。音楽のワークショップと一口に言っても、実施者によって様々なアプローチ、手法があるので、現在もそれらを学べる講座などの機会があれば積極的に参加するようにしています。

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音楽事務所での仕事においても、ワークショップリーダーの活動においても、フェリスでの学びが生かされている思う場面は多々あります。技術的な面でいうと、作曲や即興演奏に触れていたこと、幅広い音楽ジャンルに触れていたこと等が役立っています。信条的な面で言えば「音楽を通して人が繋がったり、幸せを感じられる場を作りたい」「どんな人でも音楽の一部になることができる喜びを体験して欲しい」という思いは所属ゼミでの活動から芽生え、私の中で育ってきたものだと思います。

今後も、様々な形で様々な方が音楽を楽しめる場を提供する活動を続けていきたいと考えています。少し具体的なところで言うと、ご高齢の方や、社会から孤立してしまっているような方が参加して、社会との繋がりを得たり、日常の中の楽しみにしていただけるようなワークショップを行いたいと思っています。

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