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“おたより”

20170810

和泉流・狂言を学ぶ

文学部日本語日本文学科の専門科目「日本伝統文化を学ぶ」(集中講義)の今年のテーマは、狂言です。和泉流いずみりゅう狂言師・深田ふかた博治ひろはる先生(万作の会)のご指導のもと、三日間みっちりと学びました。

まず初めに、先生の模範演技とビデオ映像によって、狂言の歴史とその精神、特質について学びました。ことばやしぐさだけで全てを表現するという表現形式は、現代演劇や映画を見慣れた学生にとってはたいへん新鮮なものであったようです。その後、体育館に移動し、小謡こうたい小舞こまいの実技体験を行いました。舞扇まいおうぎを包丁に見立てて食べ物を切ったり、柿を枝からぎ取って食べたりといったパントマイムの稽古を経て、「花の袖」「兎」に挑戦しました。謡いながら体を動かすことの難しさを実感しつつも、わかりやすく、丁寧にご指導くださる先生のおかげで、三日目の午後にはグループによる演技発表会ができるまでになりました。

三日間という短い時間ではありましたが、学生たちにとって「ことば」「身体」に向き合う貴重な経験となりました。狂言は、日本の幽玄という美意識と深く関わる演劇です。多くを語らず、簡潔なことばや表情、動き、間合いで様々なことを表現します。今回は、プロの狂言師の演技を間近で観る感動とともに、生活の様々な場面におけるコミュニケーションやパフォーマンスの力を考える素晴らしい機会となりました。

文学部日本語日本文学科教授 谷知子

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