01from ferris to you
“おたより”
20170727
2017年度前期国際交流学会春季講演会を、7月10日に開催しました。講師としてお呼びした水越眞理子(みずこし まりこ)氏は、上智大学外国語学部を卒業後、外資系企業の勤務を経て、英国日産自動車製造社長専属通訳として渡英しました。その後、韓国とパリに計約7年半在住されました。現在はフリーランス通訳者として活躍されており、2016年のリオ・デ・ジャネイロ・オリンピック大会では、現地で通訳の仕事をなさいました。
私たちにはあまり想像できない通訳の世界 ―― 話し手の言葉を一言も聞き落とすことなく長い文をすぐに訳し、喜怒哀楽を帯びた話し手の意思を言葉で伝えることが通訳者の仕事です。
この仕事で大切なことは外国語の習得だけではなく、適切な敬語を運用できる日本語とビジネスマナーを身につけることだと、水越さんはおっしゃいました。 事前の準備も欠かせません。話し手は多様な文化的背景をもちかつ、仕事上の分野もさまざまです。それぞれの文化にはそれぞれの特有の言い回しがあり、またそれぞれの分野にもそれぞれの専門用語があります。このような事情を見据え、通訳の本番前には膨大な資料に目を通すとのことです。
英語ももちろん大切です。日々の生活の中でこの言葉は英語でなんと言うかを常に考えたりするなど、英語の勉強を毎日なさっています。水越さんは私たちに、「1週間に1度90分の勉強をするより、毎日10分の勉強の積み重ねが大切」とおっしゃいました。毎日、英語で書かれた記事を1つ読んだり、単語帳を作ったり、英語を使う機会を持ったりすること等々。水越さんから頂いた多くのアドバイスを、今後の学習に活かしていきたいです。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会では、多くのボランティアを募集するそうです。水越さんの講演を聞き、多くの学生が通訳をはじめとする様々なジャンルでボランティアとして活躍することを期待したいです。
水越さん、貴重なお話をありがとうございました。
国際交流学部教授 和田浩一