02interview
“わたしたち”
20170614
私は大学卒業後の翌年起業し、現在、食品会社を経営しています。在学中は経営の勉強をしていたわけでもなく、音楽学部演奏学科のチェロ専攻で練習に明け暮れる日々を送っていました。
卒業後は英国の大学院への進学を考えていたのですが、その準備のために訪れたロンドンで、起業するきっかけとなる商品と運命の出会いがありました。私はドライフルーツやナッツが大好きなのですが、それらを使った全く新しい美容食でした。美容健康に良く、おいしく、日本にはない製品に可能性を感じた私は、「よし、決めた!これで起業しよう!自分だったらもっとハイクオリティで製品化できる!」と起業の決意を固めました。
帰国後、大学院に進む夢は捨て、23歳で起業しました。実は大学3年次に、音楽学部の授業の中にあった「起業家育成ワークショップ」という授業を受講していたので、起業は身近な存在でした。しかし、いざ会社設立となると不安がなかったわけでもなく、当時の先生に、事業計画書を見ていただいたり、ご意見を伺ったりしながら、準備を進めました。
会社設立後、経営は順調に進み、製品発売4ヶ月目には初のプロモーションイベントを企画。プロモーションの一部として生演奏イベントを設けたところ、結果的にかなりの集客アップにつながり、お客様からはいつもとは違う空間を味わえた、と大変喜ばれました。自分にとっては身近な音楽や生演奏ですが、そうでない方々にとっては珍しく、大学での学びが違う方面でも大いに生きたことに喜びを感じました。
また、最近はベンチャー企業が集まる会議でプレゼンテーションを行うなど、商品販売アピールの場が増えてきました。限られた時間内で、言いたいことや気持ちを伝えることは容易なことではありませんが、毎回、抵抗もなく堂々と発表が出来ます。この力は、フェリスで培われたものだと自信を持って言えます。なぜなら、少人数制のフェリスの授業では毎回のように、意見の発表や、演奏の機会があったからです。
会社を経営していて今一番感じることは、人との繋がりの有難みです。私の場合、卒業後間もなくの起業だったので、フェリスでお世話になった先生方や職員の方、先輩後輩、友人、そのご家族や知人と多くの方に助けていただき、今の会社があります。また、製品の宣伝等を大々的に行っていないにも関わらず多くの先生方が応援してくださり、フェリスの温かい校風に改めて感動しています。
英国で出会った製品ですが、将来はMade in Japanのクオリティを英国をはじめ世界に発信したいと計画中です。ベルギーや台湾でアクションを起こしたばかりで、今後が楽しみです。また、個人的にですが、毎月収入の10%を、食糧難に苦しむ子供たちへの寄付や女性の人身売買を止める取り組みを支援する団体に寄付しています。こうしたグローバルな視点で社会と関わっていく姿勢や奉仕の精神は自然にフェリスで培われたものであり、そんな私を育ててくれたフェリスが大好きです。