03special
“よみもの”
20161206
11月12日~15日まで、今年7月に新しく交流協定を締結したフィリピン大学ディリマン校の学生5名と教員3名がフェリスに来学し、のべ約100名のフェリス生、教職員と交流の場を持ちました。
今回のプログラムは、学内共同研究「トランスナショナルな日本文化理解教育に関する実践的研究」(代表:文学部 コミュニケーション学科教授 小ヶ谷千穂)の一環で、日本社会や日本文化に関心をもつフィリピンの学生たちを日本に招き、英語と日本語で合同授業や交流活動を行うことで、「日本文化」をトランスナショナルな視点からとらえなおし、日本の学生の英語での発信力を高めていく教育の在り方を検討する試みです。
フィリピン大学国際センターのジーナ・ウマリ教授の引率で今回来日した学生・教員はいずれも、日本の「文楽」についてフィリピンで勉強し、それをフィリピンの独立運動の歴史と結び付けたオリジナル作品を創作しており、本学コミュニケーション学科の1年生向け「基礎ゼミ」(担当:小ヶ谷)及び英語英米文学科専門科目「テクスト生成と批評」(担当:渡辺信二教授)ではその上演も行われました。フィリピンの職人が日本の文楽の人形をモデルにしてオリジナルで作り上げた人形たちの繊細な動きと、日本文化とフィリピン文化の融合に、鑑賞したフェリスの学生たちも大変感銘を受けたようです。
コミュニケーション学科小ヶ谷ゼミと英語英米文学科梅﨑ゼミの3年生はフィリピン大学の学生たちとの合同ゼミで、英語でのプレゼンテーションと英語・日本語でのディスカッションに臨みました。テーマは、日・米・比の歴史的関係と、フィリピンでの日本社会や日本文化のメディア表象、そして最近の日本のメディアにおける外国人表象について。それぞれ異なる専門領域からの議論は大変白熱し、相互の文化をより偏見のない形で理解していくための方法について、真剣に議論が交わされました。英語英米文学科の「基礎ゼミ」(担当:渡辺信二教授)では、英単語でのしりとりゲームや、「結婚観」「恋愛観」などについてのディスカッションで大変盛り上がりました。
また、多文化・共生コミュニケーション学会では、11月13日(日)に「多文化食文化交流会」を実施。日本の手巻き寿司とフィリピン料理のアドボを一緒に作り、食べながら交流を深めました。この交流会には、本学コミュニケーション学科の学生だけでなく、日本語日本文学科や国際交流学科の学生たちの参加もあり、両国の学生が初対面とは思えないほど距離を縮めてよい時間を持つことができました。フェリスでの滞在時間は3日間と短い滞在になりましたが、今回来日したフィリピン大学学生はいずれも、「フェリス生はとても気さくで優しい」「キャンパスもきれいで、またぜひ勉強のために訪れたい」と口々に話していました。
新規協定校であるフィリピン大学ディリマン校とは、今後もこうした短期の学生交流も含め、より充実した形で教育・研究交流が進んでいくことが期待されます。
(2016年11月30日)
文学部 コミュニケーション学科教授
小ヶ谷 千穂