01from ferris to you
“おたより”
20160712
日本語日本文学科では国文学会の活動のほか、ゼミ単位の活動や「鎌倉文学散歩」等のフィールドワーク活動も行われています。
近世ゼミでは「古典文学を読む4」履修中の2年生を中心に「江戸散歩」を実施しています。2016年度前期は6月19日に「半蔵門」を散歩してきました。半蔵門の名は、江戸城の警備にあたった伊賀同心組頭・服部半蔵の屋敷があったことに由来します。散歩のスタートは国立劇場の「6月歌舞伎鑑賞教室公演」鑑賞から。若手歌舞伎役者による解説の後で、今秋に8代目中村芝翫(なかむら・しかん)の名跡襲名を控えた中村橋之助が主演の『新皿屋敷月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)』の上演(公演チケットは今年度から加入したキャンパスメンバーズ特典を利用して購入)。
昼食休憩の後、現在「歌舞伎・文楽入門展-舞台のうら・おもて」展(監修は吉田弥生)開催中の「伝統芸能情報館」を見学。舞台で使用される衣裳や道具を間近に見ることができました。国立劇場と隣接するのは最高裁判所、向かい側が国立国会図書館です。江戸の頃と違い、現在の半蔵門一帯が、日本の司法や学術文化振興において重要な位置にある施設が集まっている特殊な地域であること等を確認しつつ解散しました。
2015年度後期には「深川」を歩きました。芭蕉記念館の見学、名物深川めしを味わった後は、深川江戸資料館で再現された江戸の町を体験し、住吉踊り(かっぽれ)保存会による踊りの披露を鑑賞、門前仲町まで歩くコースでした。横浜での学生生活を送るフェリス生にとって、江戸の風情が残る東京の下町や伝統芸能を生で感じられる空間は遠い存在かもしれません。「江戸散歩」という小さなフィールドワークが、少しでも作品を読む上で参考となり、関心が高まる契機になればと考えています。
日本語日本文学科 吉田弥生