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“よみもの”

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第21回講道館日本語教育ボランティア~世界の柔道コーチの皆さんとの双方向的な言語文化教育活動~

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講道館日本語教育ボランティアとは

 

スポーツ全種目においてはサッカーに次ぐ世界第2位、格闘技系競技においては第1位の競技人口を誇る日本発祥の世界文化柔道。本企画は、世界各国から柔道の総本山講道館に指導者研修の為に訪れた柔道コーチの皆さんにご協力いただき、一日都内観光の場をお借りし実施する日本語教育活動です。

日本語教育活動といっても、実際は、フェリス生が各国柔道コーチのみなさんに日本語を教えるのみにとどまらず、反対にフェリス生が柔道コーチの皆さんから母語や様々な文化を教わる形式で行うものです。いわば、世界の柔道コーチの皆さんとの双方的な言語文化教育活動なのです。

また、本企画は、2003年開始以来、既に40各国以上の柔道コーチにご参加いただき、フェリス生の参加学生も全学部全学科に及びます。

21回目を迎える今回は、2016年3月19日に、講道館国際部課長大辻広文先生のご引率のもと、モンゴル・サウジアラビア・マダガスカル・ブラジル・ブルガリアの柔道コーチ、フェリスからは、文学部コミュニケーション学科2年生5名、引率教員1名が参加し、実施されました。

ルートは、講道館→永昌寺(講道館発祥の地)→浅草→増上寺→東京タワーです

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講道館正面玄関の嘉納治五郎師範像前にて
一番右はご引率の講道館国際部大辻広文先生。

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浅草、浅草寺にて。

 

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双方向的な言語文化教育活動

 

活動は、行く先々で、柔道コーチの皆さんにポラロイドカメラで興味あるものを撮影していただき、その写真の説明を、ポラロイド写真の余白に、フェリス生が日本語(ローマ字と平仮名)で、コーチの皆さんがそれぞれの母語(の文字)で記し、相互にその表現を学びあうというものです。

昼食も重要な双方的文化教育活動の場です。話題は、箸の使い方から始まり、海老の種類、トウガラシから様々な文化圏の香辛料へとどんどん展開し、相互の食文化について、楽しく学びあうことができます。

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ポラロイド写真による双方向的言語教育活動風景。
左はチンバット先生(モンゴル)。

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マノエリナ先生(マダガスカル)<左>箸の使い方講習。
右はアリ先生(サウジアラビア)

 

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対照言語教育教材の作成

最終見学場所の東京タワーでは自由時間の合間に対照言語教育教材を作成します。ポラロイドカメラの余白に記した日本語と柔道コーチの母語の表現を、前者はフェリス生が発音し、後者は柔道コーチご本人に発音して頂く様子を収録し、ネイティブによる対照言語教育教材(画像音声教材)を作成するのです。

今回は、モンゴル語と日本語、アラビア語と日本語、マダガスカル語と日本語、ポルトガルと日本語、ブルガリア語と日本語の貴重かつ生き生きとした対照言語教育教材を作成することができました。

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ブルガリア語と日本語の対照言語教育教材例
(ブルガリア語表記発音協力:スヴィレン先生)

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モンゴル語と日本語の対照言語教育教材例
(モンゴル語語表記発音協力:チンバット先生、バッデグリ先生)

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ポルトガル語と日本語の対照言語教育教材例
(ポルトガル語表記発音協力:オマール先生)

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アラビア語と日本語の対照言語教育教材例
(アラビア語表記発音協力:ヤシル先生、アリ先生)

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マダガスカル語と日本語の対照言語教育教材例
(マダガスカル語表記発音協力:アンツァ先生、マノエリナ先生)

 

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今後へ向けて

毎回貴重な機会を賜っている講道館館長先生、講道館国際部の先生方、ご協力くださった柔道コーチの皆さんに、感謝申し上げます。

参加学生には、講道館日本語教育ボランティアの双方向的な言語文化教育活動で得られたノウハウや問題意識をさらに高め、社会貢献へとつなげていくことが期待されます。

また、作成した対照言語教育教材も、様々な導入教育活動で使用させていただく予定です。(なお、ポラロイド写真本体は、撮影された柔道コーチの皆さんに記念としてお渡ししております)。

新入生の皆さん、そして新たな学年を迎えるフェリス生の皆さんも、次回の活動に参加し、楽しく充実した双方的な言語文化教育体験をしてみませんか?

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