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“よみもの”

20151219

生きていく上で言葉は最大の武器になります

文学部 英語英米文学科 由井哲哉 教授

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シェイクスピアの作品から人々の生活や文化を探る

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シェイクスピアを中心とした演劇作品の研究を行っているのが由井先生のゼミ。今年度はシェイクスピアの最後の作品とも言われ、多くの映画にもなっている『テンペスト』を読み解いています。

「シェイクスピアの作品は400年以上も世界各国の人に愛されています。学生たちには毎回分担を割り当て、それぞれ作品の言語や構造を掘り下げながら、演劇が当時の人々生活にどんな影響を与えて、文化を創っていったのかを考察してもらっています」と由井先生。

シェイクスピアは、卓越した人間観察眼を持っていたとされています。
「ここから生み出される登場人物の内面の心理描写は、時代背景や文化は異なっていても普遍的なもの。時代を超えても私たちに身近なテーマとしてその面白さを伝えてくれています」

 

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当たり前に知っている単語にこそ深い意味が隠されている!

「お芝居やミュージカルに興味があったので、由井先生のゼミに所属しました。演劇ならではの韻を踏んだ表現や、独特の台詞回し、また古い英語なので現代英語の表現の仕方との比較などがとても魅力的です」とゼミ生。受験英語で覚えてきたこれまでの英語とはまた違う新たな魅力が発見されることも面白さのひとつと言います。

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「当たり前に意味を知っている単語にこそ、深い意味が隠されていたりします。例えば“know”という単語。この単語は、「素性や名前を知る」という表層的なレベルから「己が何者かを知る」という自己認識のレベルまで幅広い意味を含みます。この意味を知って、改めて読んでみると、ただ何かを知るのではなく、もっと深い意味が隠されている、そう感じるのではないかと思います」

「また純粋な恋愛のように描かれている『ロミオとジュリエット』も本当はもっとエロティックであったり、原文を読むことでシェイクスピアの面白さがもっともっと発見できるのです」

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知識の可能性を広げてくれるのが由井ゼミ

由井先生の評判をゼミ生たちに聞くと「1聞いたら10教えてくれる」「チャンスを作ってくれる」「距離が近くて相談しやすい」「飲み会が多い(笑)」など、とても慕われている様子が伝わってきました。

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「多い年だと4~5回、お芝居をみんなで観に行くこともありますし、またゼミコンパも定期的に開催しています。こうして、学生たちは皆楽しみながら切磋琢磨し合い、ゼミに入ってからどんどん力をつけていきます。それには最大限応えていくことが喜びにもなっています」その先生の姿勢が、ゼミ生にとって学びたいという欲求を叶えてくれ、知識の可能性を広げてくれる存在として慕われているのでしょう。

また先生は、学生たちに教えられることも多いと言います。
「ある映画作品を見ていた時のことです。原文にはない場面が挿入されていました。それは女性主人公が洋服を選んでいる場面で、ここから彼女は暗く沈んだ気分から恋愛モードへと気持ちを切り替えるわけですね。私は原文にないと見過ごしてしまっていた部分でしたが、学生の指摘によって気づかされましたし、それによって前後のつじつまが合ってしっくりくる。これは女性ならではの視点だと感心しました」

 

受験生の皆様へ

普段生活していく上で欠かせない言葉の存在

文学は社会との接点がないように思う人も多いかもしれません。しかし由井先生は「言葉こそ最大の武器」と語ります。

「私たちが普段生活をしていく上で欠かせないのが言葉の存在です。文学を通して言葉を知ることは、生きていく上での大切な知恵を身につけることにもつながります。言葉を自由に操れることは、相手を救うことも傷つけることも簡単にできるようになるということです。

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演劇作品を通じて表現方法や言い回しを学んでいくことは、人が喜ぶ言葉、相手を思う気持ちを伝える言葉を自分のものにできるということ。これは人間として最も大事なことだと考えています。好奇心を持って興味のあることを追求していくことで無駄になるものはありません。そして、ずっと先まで生きてくる点です。

フェリスには様々なジャンルの先生がいらっしゃいますし、ゼミも少人数だからこそ先生との距離も近くなります。興味のあることを伸ばすことは自分自身を成長させること。やりたいと思うことがあるなら自信を持って飛び込んできてください」

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