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“よみもの”

20151219

職業トレーニングでなく、人間としての力を身につける

国際交流学部 国際交流学科 ベンヤミン ミドルトン 教授

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3年・4年と習熟度に合わせた授業を行い能力を引き出す

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「私のゼミの特徴は、3年生と4年生の習熟度に合わせたテーマでゼミを運営していること。3年生は今期『ポストモダンの時代の社会と観光』をテーマに、4年生は社会学理論を学びながら、卒業論文の研究を行っていきます」とミドルトン先生。このゼミでは、様々な社会現象を、社会学の観点から考察しています。3年生は、前期に観光について、そして後期では社会思想、社会階層、産業変動、ジェンダーなど幅広いテーマの中からゼミ生と相談しながらひとつのテーマを決め考察しています。

「3年生では研究とは何か、レポートはどのように書けばよいのか、電子データはどのように利用するのかなどの基礎的な学習をするために、3人一組になってテーマに関する論文への発表を行っています。発表後はディスカッションをし、意見を交換して内容への理解を深めています」

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大事なのは身近なテーマに疑問を持つこと

こうして基礎的な力が身に付いた4年生になると、様々なテーマで卒論の研究に取り組んでいきます。今年の4年生の研究テーマについてゼミ生に話を聞きました。

「私は、日本の航空業界について、大手とLCCでのサービスやホスピタリティの違いや企業の特性についての研究をしています。例えば大手では、サービスや定時運航、安心や安全を売りに、LCCは、コスト削減という観点で経営を行っています。今後は、どのように共存共栄していくのか経営戦略について調査を進めていくつもりです」

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「私は、バレンタインデーは日本でどのように定着したのかについての研究をしています。2月14日にチョコを送る習慣は日本で始まった文化ですが、諸外国のバレンタインデーはどのようなことが行われているかなど、海外との比較も交えながら考察しています」

「私は、CSR、つまり企業の社会に対する責任をテーマにしています。私たちの日常生活にとって、企業は社会とどう関わるべきかが重大な課題です。外資企業は見せ方もうまく、日本はまだこれからという段階だと感じています。今後日本の企業はどうしていくべきなのかまで調査・考察していくつもりです」

卒業論文というと、とても難しいテーマで論文を書かなくてはいけないというイメージもあるかもしれませんが、どれも私たちの身近にあるサービスなどをテーマにしています。身近なことに疑問を持ち、それについて考えていくことが、このゼミの特長なのです。
「学生たちには、収集した情報やデータについて批判的に見るようにと話しています。すべて書かれたそのままを信じるのではなく、信憑性を問うことが、正しい情報を得るためにも必要だからです」

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1対1で親身になってくれる先生の存在

そんなミドルトン先生は、学生たちから「授業は大変だけど、一人一人をしっかり見てくれる」存在として信頼を置かれています。

「先生は1対1で向き合ってくれる時間を大事にしてくれています。発表に関しても、卒論の研究に関しても細かく見てくれて、様々なアドバイスをくれます。そのおかげで、何に対しても最善を尽くして挑もうというと意識に変わってきました」

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それは、3年の後期から進められる卒論のテーマ決めにもあります。通常は4年生になってから取りかかる卒論研究を3年生のうちから始めておくのがミドルトンゼミの特徴。そのおかげで「4年生になって、スムーズに卒論に取り組めた」「就活と卒論を両立することができた」という声がたくさん聞かれました。

 

受験生の皆様へ

大学は職業訓練の場所ではなく、長期的な力を身につける場所

「大学は職業トレーニングを行う場所ではなく、考え方や世界認識などの能力を鍛える場所だと思っています。大学で自身の能力や体力、精神力を鍛えることなど、短期的な力ではなく、時代がどんなに変化しても対応できる長期的な力を身につけていくことが大事なのではないでしょうか。

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特にフェリスは、いろんな分野・地域の基礎知識を得ることができ、その上で専門を身につけることができる場所。視野も広がるので、多角的に物事を捉えることができるようになります。日本国内で、女子の高等教育進学率は2011年に(内閣府男女共同参画局による『男女共同参画白書(概要版)平成24年版』を参照)、男子を超え、社会進出も進んでいますが、政府が理想とする男女共同参画型社会を実現するのに、さらなる措置を講じなくてはなりません。フェリスは双方向性を重視した少人数教育を実践し、主体性や自立性を培う環境も揃っています。学問やサークル活動に集中できるこの環境をぜひ生かしてもらいたいですね」

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