03special
“よみもの”
20151219
無意識の自分や文化的自己観を研究・分析するのが潮村ゼミ
自己観のいだき方や、無意識のうちに形成される人々の態度について、コミュニケーション論の観点から研究しているのが潮村先生のゼミです。
「私たちが当たり前だと思っていることは、自分たちの文化内だけで通じる「当たり前」であったり、自身の無意識的な認識が元になっていたりする場合が多くあります。私たちのゼミでは、心理学や社会意識論、社会心理学的なアプローチをとり、自己観や異文化、ステレオタイプなどのテーマについてデータを収集し、分析をしていきます。最近では特に、文化的自己観や、非意識的自己(無意識的自己)について取り組んでいます」と潮村先生。
ゼミでは、国際的な研究ネットワークの中で研究を進めることを重視し、世界に通じるコミュニケーション学(心理・社会科学的コミュニケーション学)を身につけられるようなゼミ運営を目指しています。また、ゼミで学んだことが、就職活動や日々の生活の中で生かされるようにも心がけています。
体験談を交えて授業をしてくれるから視野や興味が広がる!
「潮村先生のゼミの魅力は、何といっても、発言しやすい雰囲気と、先生の話の面白さだと思います。心理学関連の用語は難しいものもありますが、先生がご自身の体験談を交えてお話しをして下さるので、楽しく理解することができます。また質問や意見を述べると、そこから話が広がっていき、疑問点を解決するだけではなく、違った視点からの考えを知ることができて勉強になります」とゼミ生。
これについて潮村先生は、「私自身がまだ若かった頃『科学的研究という営為に関わるということは、人類共通の課題の一端を担うことだ』と教えられたことを今も心にとどめるようにしています。また、現実社会への心理科学の応用も目標としています。組織行動、集団活動、教育など、多様な場面で、心理科学の知見が活用されずに埋もれています。ゼミの皆さんがそれを掘り起こしていくことができるようなサポートを行いたいと思っています」と語りました。
先生との距離が近く相談しやすいのも魅力
ゼミでは難しい分析を行うこともある中で、先生はただ教えるだけではなく、わかりやすく丁寧に説明してくれるとゼミ生は口を揃えます。
「指導熱心で、見捨てるようなことは決してしません。ゼミ生と先生の間はもちろん、学年を越えてゼミ生同士で取り組む環境も作ってくださり、コミュニケーションを大切にしてくれていると感じます。また、先生は社会人としての心構えなど勉強以外のことも正してくださいます。そのため生徒からの信頼も厚く、潮村先生のファンもたくさんいると思います」
また他のゼミ生も「いつもニコニコしていて優しく思いやりがあり、多くの学生から慕われている先生です。一人一人の個性を理解して、それぞれのいいところを引き出すのがとても上手」
「先生はアメリカに滞在されていたことがおありで、実体験も交えながら学ぶことできます。時には厳しいこともおっしゃいますが、必ず最後にフォローが入ります。様々な興味深い話をしてくださるので、毎回ゼミが楽しみです」と先生と学生との距離の近さが魅力と話してくれました。
受験生の皆様へ
みなさんとの出会いがいい研究を生み出します
大学院生時代は心理学/社会心理学を学び、助手(現・助教)時代は社会意識論や計量的社会学の研究室に所属しました。その後は、社会・心理学的なアプローチを中心としながら、文化(異文化)、社会的ステレオタイプ、自己(文化的自己観や自己謙遜など)や、意識と非意識、異文化間コンフリクト、組織文化などの多様なテーマに取り組んで来ました。
研究上での転機となったのは、2000年からの米国滞在です。イェール大学では、まさに最先端の新技法が開発されていたラボに在籍して研究にたずさわることができ、帰国後、数年間は、世界各地の研究機関を訪問し、研究ミーティングやTALKと呼ばれる小講演を積極的に行いました。中でも印象深いのは、香港大学での小講演会後にChiu教授(香港大学・当時)夫妻とビクトリアピークでディナーをご一緒した機会です。「今日が私の人生最良の日です」と私自身が語ったことを今でも覚えていますが、ゼミ生の皆さんとまたいい研究をして、その日を超えるような日が来ることを願っています。